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ギリシャ空軍の A-7 コルセア II がすべて退役 世界最後の現役機

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ギリシャ空軍の A-7 コルセア II がすべて退役 世界最後の現役機
ギリシャ空軍で運用されていた A-7 コルセア II (A-7 Corsair II) が、10 月 17 日にすべて退役した。ギリシャ空軍は A-7 を運用していた世界最後の空軍で、これにより世界の空から、実運用に就く A-7 は姿を消すことになった。

A-7 は 1960 年代に、米海軍の艦上攻撃機 A-4 スカイホークの後継機として、米国のリング・テムコ・ヴォート社によって開発された。設計は F-8 クルセイダーをベースとしており、機首の下にぽっかりと開いた、大きな口のようなエア・インテイクが特徴だ。

1965 年に初飛行し、翌 1966 年から運用が開始された。米海軍の他、米空軍や米空軍州兵にも導入され、ベトナム戦争やパナマ侵攻、湾岸戦争などに投入された。かつては日本でも厚木基地などで見ることができ、その独特の外見から根強いファンを持つ。

また A-7 は、タイ王国やポルトガル、ギリシャにも輸出された。

その後、米国で後継機にあたる F/A-18 ホーネットが登場したことで、米海軍では 1991 年に、また米空軍でも 1993 年までにすべてが退役した。またポルトガルの A-7 も 1999 年までに退役した。タイ王国では 2007 年以降は運用に就いておらず、近年ではギリシャ空軍が A-7 を運用する最後の軍隊となっていた。
退役直前の時点で、ギリシャ空軍は 15 機の A-7E と、2 機の TA-7C を運用していた。

IHS Jane's Defence Weekly によれば、ギリシャ空軍は 1975 年から 1980 年にかけて、60 機の A-7H と、5 機の TA-7H を導入したという。また湾岸戦争後に米海軍から退役した A-7 のうち、50 機の A-7E と18機の TA-7C が、1993 年から 1994 年にかけて引き渡されたという。

ギリシャ空軍の A-7 は、退役までに合計 35 万 5,000 ミッション、計 44 万時間もの飛行時間を記録したという。

なおギリシャ空軍では、A-7 の後継機として、F-16 ブロック 52+ の導入を計画しているとのことだ。

Ελλάδα Πολεμική Αεροπορία 2014/10/27
IHS Jane's Defence Weekly 2014/10/20
Photo via Ελλάδα Πολεμική Αεροπορία
Text: 鳥嶋真也 - FM201411


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