深海魚に由来の光感受性物質を利用する「ナイトビジョン目薬」の人体実験に成功。暗闇で 50m 先を視認
米国で高度なバイオ技術を持つマニア集団が、目薬の点眼で夜間暗視を可能とする人体実験に成功したと発表した。
これは、米カリフォルニア州のバイオハッカー Science for the Masses (SfM) が 3 月 25 日付リリースで発表したもので、この「ナイトビジョン目薬」は、生理食塩水と「クロリン e6 (Ce6: Chlorin e6) 」、インスリン、それに細胞への吸収性を高める目的で「ジメチルスルホキシド (DMSO: dimethylsulfoxide) 」が使用されている。
ナイトビジョン目薬でカギを握るのは Ce6 。これは光の届かない深海で生息する深海魚から発見された光増感剤の成分で、藻類やその他の植物から生成することが出来ると言う。Ce6 は、その特色を活かして夜盲症の治療や、癌治療などにも使われている。
同氏によれば、「点眼がおこなわれた際は、黒と緑でぼやけて見えていた視界は、次第に暗闇でもはっきりと見えるようになった」とのこと。
その後 1 時間以内に、暗闇の中で 10 メートル先にある手の形を認識することが出来ている。次いでおこなわれた木々や茂みでの実験では、25 ~ 最大 50 メートル離れた人影を識別するという内容のもので、100% の精度でその居場所を当てている。この時に木に寄りかかっていた人も精確に識別がおこなわれていたとのこと。なお、被験者以外の場合で同じ実験を行ったところ正解率は 1/3 程度にとどまっている。
なお、点眼の効果がある時間は、目が光に過敏な状態となっていることから、サングラスの着用をしなければならない。
実験を終えた翌朝、被験者の視界は元の状態に戻っており、その後 20 日間を経過した現在でも目立った副作用は報告されていない。
SfM 2015/03/25
Science.Mic 2015/03/25
同研究チームでは、動物実験を経てこの度、研究チームのメンバーの 1 人、Gabriel Licina 氏を被験者として人体実験をおこなった。
参考:
⇒想像よりも早く実現?!ナイトビジョン「コンタクトレンズ」米大学研究発表
同氏によれば、「点眼がおこなわれた際は、黒と緑でぼやけて見えていた視界は、次第に暗闇でもはっきりと見えるようになった」とのこと。
その後 1 時間以内に、暗闇の中で 10 メートル先にある手の形を認識することが出来ている。次いでおこなわれた木々や茂みでの実験では、25 ~ 最大 50 メートル離れた人影を識別するという内容のもので、100% の精度でその居場所を当てている。この時に木に寄りかかっていた人も精確に識別がおこなわれていたとのこと。なお、被験者以外の場合で同じ実験を行ったところ正解率は 1/3 程度にとどまっている。
なお、点眼の効果がある時間は、目が光に過敏な状態となっていることから、サングラスの着用をしなければならない。
実験を終えた翌朝、被験者の視界は元の状態に戻っており、その後 20 日間を経過した現在でも目立った副作用は報告されていない。
SfM 2015/03/25
Science.Mic 2015/03/25
★この記事へのコメント
コメントを投稿する
★この記事をブックマーク/共有する
★新着情報をメールでチェック!
★Facebookでのコメント