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FBI (米連邦捜査局) の次期制式採用ピストルが 9mm 口径に回帰へ

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FBIの次期制式拳銃に関する提案依頼書(RFP: Request for Proposal )が10月7日付で公開された。そう遠くない将来にFBIの特別捜査官の持つピストルが、現行の.40SW弾を使用するGlockから9mm口径のピストルにリプレイスされる。

この件については2014年7月に事前公示(Pre-Solicitation)を行っていたが、RFP では銃身長やマガジン装弾数が改訂されている。リプレイス契約に伴う費用は最大で8,500万ドル(=約102億円)が見込まれている。

FBI が制式拳銃の変更に動いた理由は、現在採用している .40SW弾より 9x19mm 弾の方が任務に適していると結論付けた為である。尚、現在FBIでは Glock 22 (フルサイズ版) と Glock 23 (コンパクト版) を制式拳銃として採用している。
RFP に記された項目は下記の通り。

●クラス1 コンパクトピストル:銃身長3.75~4.25インチ マガジン装弾数14発以上 ナイトサイト搭載
●クラス2 フルサイズピストル:銃身長4.26~5.20インチ マガジン装弾数16発以上 ナイトサイト搭載
○クラス1に準ずる非致死性トレーニングガン:未可動タイプと Simunition のようなペイント弾が使用できる可動タイプの二種類
○クラス1&2用の交換部品

米陸軍次期制式拳銃(MHS: Modular Handgun System)で焦点となっている口径問題と同様に、FBIでも長らく様々な議論と検証が行われてきた。

9mm弾の採用理由として挙げているのが、

・撃ち易さ
・外寸サイズの異なるピストルが豊富
・ピストルの耐久性
・マガジン装弾数の多さ
・信頼性
・威力の異なる弾薬選択が可能
・原価の安さ

としており、汎用性や正確性を重視したものとなっている。

FBI当局の公式発表としてワシントンポスト紙が報じたところによると、2016年度までに13,000名の捜査官の手に渡るよう、新たなピストルの購入が決定した模様。FBIでの購入決定は、広く地方の法執行機関での装備にも影響が及ぶ可能性を秘めている。

RFP for new 9mm Semi-Automatic Pistol / FBO (Federal Business opportunities) 2015/10/07
TFB 2014/09/26, 2015/10/15
7 Reasons Why Cops Choose the 9mm Over the .40 / Tactical Life 2014/01/26
Washington Post 2015/10/31
Text: 弓削島一樹 - FM201511

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