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「Astra Linux」OS を搭載したロシアの軍用ノートパソコンの生産が開始に

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「Astra Linux」OS を搭載したロシアの軍用ノートパソコンの生産が開始に
Photo: via Rostec
ロシアの国営ハイテク工業製品開発・生産・輸出企業「ロステック」は傘下の企業の一つである「United Instrument Manufacturing Corporation」が耐環境性能・防塵・防滴性能をサイバー攻撃耐性を兼ね備えた軍事用ノートパソコンの生産を開始すると公式HPにて発表した。このノートパソコンは戦闘任務や作戦指揮のために開発されたものであるという。

この軍事用ノートパソコンの仕様は、OSはロシアの国防省や情報機関のニーズで開発されたAstra Linuxを用いており、ビデオ会議にも対応するアプリケーションソフトを組み込んでいる。その他にもGPS / GLONASS 受信機・VGA・HDMI インターフェイス・Wi-Fiモジュール USB3.0ハブ 4ポート内蔵している。CPUは第6世代プロセッサーとされ、クロック周波数は3.5GHzである。内蔵バッテリーの駆動時間は8時間。

この軍事用ノートパソコンを開発した背景には、過酷な戦場において従来のコンピューターが安定して動作できないことがあった。この軍事用ノートパソコンは-40℃〜50℃の温度や極端な状況下においてもトラブルのない動作を保証するものである。と同社副局長は豪語している。この軍事ノートパソコンの生産は、今年の第2四半期の予定である。デジタル通信機器等に使用されていたノートブックはこの新たな軍事用ノートパソコンに置き換えられていく予定であるという。
GRUスペツナズがUAVの航空管制にPanasonic Toughbookを用いている動画
現在ロシア連邦軍において、UAVの航空管制としてPanasonic Toughbook が多数運用されている。Panasonic Toughbookはその名の通り、極限環境でも動作するフィールドワーク向けノートパソコンであり、そのタフネスさは米軍のみならず世界中の軍隊で愛用されている。東部ウクライナにおける西側の経済制裁を受け、近年のロシアで工業製品の国産回帰の傾向があるため、何時までもフィールドワーク向けノートパソコンをPanasonic Toughbookに頼るわけにはいかない危機感が、この独自の軍事用ノートパソコンの開発生産させた動機ではないかと推測するものである。

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Rostec 2016/02/16
Panasonic Toughbook
Text: WT83 - FM201602

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