H&K 社が米陸軍の M110 からのリプレイスを図るセミオート式狙撃銃 (CSASS) コンペに勝利
4 月 1 日、米陸軍がコンパクト・セミオート・スナイパー・システム (CSASS: Compact Semi-Automatic Sniper System) について、ドイツのヘッケラー&コッホ社との間で契約を結んだことが明らかとなった。
米連邦事業機会 (FBO: Federal Business Opportunities) によると、契約はスペアパーツとサポートを含めて 4,450 万ドル (=約 49 億 6,000 万円) の案件となり、H&K 社は 24 ヶ月超の中で最大 3,643 挺の製造追加オプションをこなすことが記されている。なお契約では、試作資格認定試験 (PPQT: Pre-Production Qualification Test) と運用試験 (OT: Operational Testing) において、30 挺の CSASS の発注が義務付けられる。
新たな装備の試作開発をおこない、その調達などを担っている陸軍の機関である PEO (Program Executive Office) ソルジャーはそのポートフォリオの中で、CSASS に求める要件として、射手にとって、①全長がより短くなり②軽量で③精度が高く④人間工学的に優れ⑤信頼性の高い製品を挙げていた。
今回の計画では、2005 年にセミオートマティック・スナイパーシステム (SASS: Semi-Automatic Sniper System) 要件計画に勝利を収め、2007 年度 に実施された陸軍考案のベスト装備品トップ 10 に選出されたこともあるナイツ社 (KAC: Knight’s Armament Company) の M110 セミオートスナイパーライフルからのリプレイスを狙ったもので、とりわけ接近戦 (close quarters) での取り回しの良さが希求されていた。
Photo Credit: Sgt. William Howard
(CSASS については 2012 年 7 月に、陸軍が M14 EBR (Enhanced Battle Rifle) の代替でコンパクト版となる M110 の模索について報じられている)
関連記事:
Photo: M14 EBR via U.S. Army Picatinny Arsenal
⇒米陸軍、M14 EBR代替でコンパクト版のM110を模索か
一報を報じた TFB (The Firearm Blog) は、「今回の一件は、H&K 社と "バッフル・レス (baffle-less) " サプレッサーデザインを手掛ける OSS (Operator Suppressor Systems) にとって初の大きな勝利をもたらした」「H&K が SASS で採用されているナイツ社を撃ち破った」とその快挙を紹介している。
また、アーミー・タイムズ (Army Times) によると、H&K 社のメーカーサイトには陸軍の要求する仕様に合致するモデルとして、M110 より小型の精密ライフルに 「G28」を取り上げて紹介している。G28 は HK417 をベースに、アフガニスタンで展開するドイツ連邦軍 (Bundeswehr) の要求仕様に向けて開発された選抜射手向けライフル (DMR: Designated Marksman Rifle)。HK417 とは 75% の部品が共通していると言われている。
Photo: G28 DMR System / Heckler & Koch GmbH
加えて前述の TFB は、レイルセグメントやアクセサリーの取り付けの為に、7 箇所のマウントポジションを持つ八角形のキーモッド (KeyMod) のような大型軽量レールが取り付けられた「G28E」の名称を掲げて紹介している。
Army Times 2016/04/01
TFB 2016/04/01
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