全編 POV 方式の SF アクション映画「Hardcore Henry」のメイキングシーンが公開
全編 POV 方式( 一人称視点 )のSFアクション映画「 Hardcore Henry 」のメイキングシーンで構成されたミュージックビデオ『 Biting Elbows - 'For The Kill' Official Music Video 』が、Youtube の Biting Elbows 公式チャンネルで公開された。FPSを彷彿とさせる銃撃戦、格闘、カーチェイスが全編に渡って繰り広げられる斬新な作風の「 Hardcore Henry 」は、全米3015館で4月8日から上映が始まりオープニング興行収入510万ドルで5位という好スタートを切った注目作品である。
ミュージックビデオを公開している Biting Elbows はロシアのロックバンドで、「 Hardcore Henry 」の監督で映像クリエーターのイリヤ・ナイシュラー( Ilya Naishuller )がボーカルを担当している。以前のミリブロNewsでも触れているが、イリヤ・ナイシュラー監督が過去に手掛けた同バンドのミュージックビデオは全編 POV 方式で撮影されており、臨場感溢れるアクションシーンが当時話題となった。その作品と同様の手法を用いて長編映画の撮影に挑み、ポストプロダクションの費用調達のためにクラウドファンディングサービスでキャンペーンを展開し、目標金額を越える254,954米ドルで終了していた。その後、ポストプロダクションを経て劇場公開となったのが「 Hardcore Henry 」である。※キャンペーン当時の映画タイトルは「 Hardcore 」
関連記事:
⇒世界初・全編一人称視点で撮影されるアクション映画「Hardcore」が出資募集中
物語は ―― 恐ろしい事故によって手足と記憶を失った主人公ヘンリーは愛妻エステルの手によってサイボーグとして蘇る。ヘンリーが治療を受けている研究施設に念力使いの悪党アカン率いる傭兵たちが襲撃を加え、エステルが連れ去られてしまう。謎の男ジミーと共にエステル救出へ向かうこととなる…。
ヘンリーをサポートする謎の男ジミー役は、SF映画「第9地区」の主人公ヴィカスや「チャッピー」でロボット:チャッピーの声とモーションキャプチャを担当したシャールト・コプリー( Sharlto Copley )、ヘンリーの父親役は「レザボア・ドッグス」のMr. オレンジ役や「PLANET OF THE APES/猿の惑星」のセード役を演じたベテラン俳優のティム・ロス( Tim Roth )、愛妻エステル役は「イコライザー」でマンディ役を演じたヘイリー・ベネット( Haley Bennett )、などが出演している。
ヘンリー役は、独自に開発した GoPro HERO3: Black Edition 用マウントリグを装着したイリヤ・ナイシュラー監督など10名以上のスタッフがシーンに応じて交替で担当しており、ワイヤーを駆使しながらカースタントや爆破など様々なアクションに命がけで臨んでいる。また、映画本編は余りにも過激な描写が多いため、アメリカではR指定(17歳未満は保護者の同伴が必要)となっている。尚、日本での公開は現在未定である。
POV 方式の映画は「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」や「クローバーフィールド -HAKAISHA-」が有名であるが、最近では全米で4月1日に公開されたパンデミック後の終末世界を描いたパニック映画「 Pandemic 」( John Suits 監督作品 )でも手法が用いられている。
参考動画:Pandemic Official Trailer 1 (2016)
Text: 弓削島一樹 - FM201604
★この記事へのコメント
コメントを投稿する
★この記事をブックマーク/共有する
★新着情報をメールでチェック!
★Facebookでのコメント