A-10攻撃機用の30mm劣化ウラン弾に廃止の議論が高まる
30mm口径・7砲身のGAU-8ガトリング砲によって鋼鉄の雨を降らせ、地上のあらゆる敵を殲滅することを目的に開発された異形の攻撃機・A-10。その攻撃力の源となっているPGU-14/B焼夷徹甲弾を廃止するという議論が高まっている。
U.S. Air Force photo by Senior Airman Nancy Hooks/Released
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毎分3900発と発射速度の高いGAU-8では、雷管が発火してから4.5ミリ秒以内に銃弾が銃身から出ていなければ重大な故障になりうる。しかし軍がストック分しているPGU-14/B弾は製造から平均32年が経過しており、発射薬・雷管の劣化が懸念されている。
U.S. Air National Guard photo by MSgt. David Kujawa
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A-10攻撃機が2030年まで現役が延長されること、また劣化ウラン弾の発する放射線や劣化ウラン自体の毒性による環境汚染の恐れがあることから、空軍では使用を継続するよりも、新たに徹甲弾を開発すべきではないか、という声があるという。
PGU-14/BはMBTを含む装甲車両を撃破するために開発された。貫通力を高めるため弾芯には鉛より60%重いウラン238と微量チタンの合金が使用されている。ウラン238はそれ自体が発火性であり、そのためPGU-14/Bは焼夷機能も持つ。GAU-8にはPGU-14/B弾5発に対しPGU-13/B焼夷榴弾1発の割合で混合されて装填される。比率は使用されるミッションによって変化する。
U.S. Air Force photo/Maj. David Kurle
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湾岸戦争においては大量に劣化ウラン弾が使用され、それが「湾岸戦争症候群」と呼ばれる兵士や現地住民の健康被害を引き起こしたとされている。この結果から、2011年から始まるアフガニスタンにおけるISISとの戦いにおいては劣化ウラン弾の使用が当初中止され、代わりにPGU-13/B弾2発と、PGU-15/B訓練弾1発の割合で装填されるようになった。しかし2015年のタイダル・ウェーブII作戦では、シリアにおけるISISの拠点を攻撃する際に劣化ウラン弾が用いられたことが分かっている。
徹甲弾に用いられるタングステンの年間採掘量は大きくなく、加工も難しい。小火器においても徹甲弾の重要性は増しており、まったく違う方法での貫通性能強化が求められている。
Source: Air Force Debates Replacing Depleted Uranium Rounds for A-10 | Military.com
American General In Syria Confirms US Forces Killed Hundreds Of Russians In Massive Battle - The Drive
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201805
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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