女性戦場記者アレックス・クアード（Alex Quade）が米軍特殊部隊の活動を追ったドキュメンタリー映画『Danger Close』のトレーラーが Youtube の Movieclips Film Festivals & Indie Films 公式チャンネルで公開された。米特殊作戦軍（United States Special Operations Command : USSOCOM）の拠点があるフロリダ州タンパで開催されたガスパリラ国際映画祭（Suncoast Credit Union Gasparilla International Film Fest 2017）で 3 月 9 日に初上映された本作は、4 月 28 日にアメリカで劇場公開を予定している。

アレックス・クアードは、大学卒業後に Fox や CNN で TV レポーターとして活躍し、現在はフリーランスの戦場記者として活動している。2001 年ごろから、グリーンベレー、第75レンジャー連隊、SEAL、CIAなどの特殊作戦を主な取材対象としており、本作はイラクとアフガニスタンで展開する米軍特殊部隊に同行している。

民間の記者でありながら、元米特殊作戦軍指揮官：マイク・リパース少将のお墨付きを貰えるほどに軍隊へ溶けこみ、特殊部隊専門記者とも言える希有なポジションを築いた彼女であるが、軍から信用を得るには長い時間を要し様々な苦労があったと米タンパベイ・タイムズ紙（Tampa Bay Times）のインタビューで語っている。また、搭乗予定だった軍用ヘリコプターが撃墜されるなど、最前線取材ならではのエピソードが多く存在するようだ。

ジャーナリストとして評価は非常に高く、電子ジャーナリズムの優れた業績を称える“エドワード・R・マロー賞（National Edward R. Murrow Award）”を二度、そして栄誉ある“米国名誉勲章協会による優れたジャーナリズムを称えるテック・マクレイ賞（ The Congressional Medal Of Honor Society's Tex McCrary Award For Excellence In Journalism）”を受賞している。他には、ニューヨーク女性記者クラブのフロントページ賞、グリーン・アイシェイド賞、新聞記者連賞、エンジェル・オブ・ザ・バトルフィールド賞など 30 を越える様々な賞を獲得している。短編ドキュメンタリーの監督として「9/11 Generation Rangers」「Medal of Honor: Special Forces Col. Roger Donlon」など現在までに 14 作品を手掛けている。

関連動画：War Reporter Alex Quade's "Danger Close" Mission With Spec Ops AC130 Gunship

本作は、米メディア会社：ストロング・イーグル・メディア（Strong Eagle Media）が手掛ける軍事三部作のひとつである。他の二作品は、米陸軍第 45 歩兵旅団（45th Infantry Brigade Combat Team）のアフガニスタンでの活動を捉えたドキュメンタリー映画「Citizen Soldier」と、米軍ヘリコプターパイロットに焦点を当てたドキュメンタリー映画「Apache Warrior」である。「Citizen Soldier」は、アメリカで 2016 年に Blu-ray＆DVD 化されている。

関連動画：Citizen Soldier Official Trailer 1

Text: 弓削島一樹 - FM201703