M27 IARの耐久テストの内容が情報公開法によって明らかに
分隊支援機関銃に代わって導入が進んでいる支援火器IARの耐久テストについて、情報公開法(FOIA法)によってその一部が明らかになった。
Photo By: Sgt. Alicia R. Leaders
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IARはH&K社のM27が採用されたが、他にもコルト社、FN社など9社がコンペに参加していた。テスト結果の数字のみを見ると、H&K案よりも優れたものが存在していたのが興味深い。
2008年に行われたテストは数千発を射撃し、その際のエラー数を記録するというもの。エラーはクラス1とクラス2に分類される。
テストの内容は以下:
2400発のテストを各社3丁ずつ提出されたサンプルで行った。つまり同じ銃で都合7200発を射撃することになる。その結果、クラス1・2を合わせたエラーの発生件数は以下のようになった。なお提出メーカー名が示されていないものは、メーカー側が情報公開を望まなかったものであるという。
故障数の大小は良否に直結するわけではない。例えば候補Fの故障数はかなり少ないが、より重度の故障であったかもしれない。また銃身の摩耗による初速や集弾性の悪化についても触れられていない。
2009年のテストではさらにクラス3故障が追加された。
テスト詳細は不明だが、弾数は合計2万発。フルオート、ならびにセミオートで30発/分で射撃するものだったようだ。
120分ごとに銃身が華氏120度(摂氏48.9度)まで冷やされ、600発ごとに清掃注油。さらに1200発ごとに簡易検査が行われ、5000発ごとにバレル摩耗度合いを計測するため集弾と初速が計測される。
以下、平均故障間隔(MRBF……Mean Rounds Before Failure)と予想銃身命数。いずれの数字とも大きいほうが良好な結果である。
FN案はMRBFに優れ、故障が発生する前に銃身命数が尽きる可能性もある。しかし、H&K案は銃身が圧倒的に長寿命で、このことが軍の判断の決め手となったようだ。軍では何を重視しているのかが分かる資料である。
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201705
2008年に行われたテストは数千発を射撃し、その際のエラー数を記録するというもの。エラーはクラス1とクラス2に分類される。
クラス1故障:
10秒以内に復帰できるもの
クラス2故障:
10秒以上10分以内に復帰できるもの。銃身の冷却時間は含まず、支給される工具のみが使用できるものとする。
テストの内容は以下:
2400発のテストを各社3丁ずつ提出されたサンプルで行った。つまり同じ銃で都合7200発を射撃することになる。その結果、クラス1・2を合わせたエラーの発生件数は以下のようになった。なお提出メーカー名が示されていないものは、メーカー側が情報公開を望まなかったものであるという。
候補A - コルト案1:60※候補Iはプルーフマークがなく、安全が保証されなかったため実射テストは行われなかった。
候補B - コルト案2:28
候補C:23
候補D:78
候補E:39
候補F:12
候補G - H&K案:27
候補H:124
候補J - FN案:26
故障数の大小は良否に直結するわけではない。例えば候補Fの故障数はかなり少ないが、より重度の故障であったかもしれない。また銃身の摩耗による初速や集弾性の悪化についても触れられていない。
2009年のテストではさらにクラス3故障が追加された。
クラス3故障……下記のいずれか
1. 射手による復帰に10分以上かかるもの
2. 復帰できるが射手以外の支援が必要なもの
3. より高度な整備が必要なもの、工具や部品がなくその場で修理できないもの
テスト詳細は不明だが、弾数は合計2万発。フルオート、ならびにセミオートで30発/分で射撃するものだったようだ。
120分ごとに銃身が華氏120度(摂氏48.9度)まで冷やされ、600発ごとに清掃注油。さらに1200発ごとに簡易検査が行われ、5000発ごとにバレル摩耗度合いを計測するため集弾と初速が計測される。
以下、平均故障間隔(MRBF……Mean Rounds Before Failure)と予想銃身命数。いずれの数字とも大きいほうが良好な結果である。
※クラス3故障が発生しなかったことを意味する。
FN案はMRBFに優れ、故障が発生する前に銃身命数が尽きる可能性もある。しかし、H&K案は銃身が圧倒的に長寿命で、このことが軍の判断の決め手となったようだ。軍では何を重視しているのかが分かる資料である。
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201705
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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