米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験

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米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験
今回の特別企画は、‟装着することで身体的パフォーマンスが向上する”という夢のようなサイエンス・ガジェット『ヘイロー・スポーツ(Halo Sport)』の実力を確かめるため、田村装備開発の田村氏、長田氏、瀧澤氏にご協力いただき、簡易的な検証実験をおこなった。『ヘイロー・スポーツ』についてはミリブロNewsで何度か取り上げた通り、「デブグル」の名で知られる海軍特殊部隊の最精鋭チームなど、軍エリート部隊でその改良モデルが試験運用を開始したという、今最もホットなアイテムの1つである。今回の検証実験は、ヘイロー・スポーツの使用前後に体力測定とエアガンを使った射撃を行い、その計測数値を比較するというものだ。

取材協力:田村装備開発
http://tamurasoubi.co.jp/

~特殊部隊装備品の輸入・開発・販売~
米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験
田村装備開発のお三方。左から長田氏、代表の田村氏、瀧澤氏。

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Photo from Halo Neuroscience
ヘイロー・スポーツは、米国の『ヘイロー・ネウロサイエンス(Halo Neuroscience)社』が手掛けた‟神経細胞ニューロンの能力増強/トレーニングの効率化/筋肉の協調・持久力・筋力・瞬発力・マッスルメモリーの向上”を謳うヘッドセット型のサイエンスガジェット。プロスポーツ選手、オリンピック・ナショナルチームなどのトップアスリートを対象に行われた実証試験で‟パフォーマンスが向上した”という結果を出し、にわかに脚光を集めている。なお同社によると、米国のスキーチームのアスリートを対象とした実証試験においては、2週間の利用で脚力が「12%向上した」との結果が出ているという。

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『ヘイロー・スポーツ』の使用方法は、電源を入れて頭頂部を跨ぐように装着し、モバイルアプリ「Halo Sport」を起動させてペアリングを行い、アプリメニューの「ニューロプライミング・セッション」を実行する。セッション中は、ヘッドセット内側のプライマー部分(突起状のパーツ)から弱い電気信号を発し、筋肉の動きを司る‟運動野”を刺激して「超可塑性」状態を引き起こす仕組みとなっている。なお、ヘイロー・スポーツの使用対象年齢は18歳以上となっている。

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アプリメニューの「ニューロプライミング・セッション」は、効果が異なる3種類(①全身の筋肉に関連付けた「LEGS,CORE,&ARMS」、②手に特化したスキルに役立つ右手用の「HANDS&FINGERS(R)」と、③左手用の「HANDS&FINGERS(L)」)にメニュー分けされている。今回は「LEGS,CORE,&ARMS」を選択した。

プライマーが正しく頭皮に接触しないとエラーが表示される。毛量によっては、髪をかき分けるなどの調整が必要となる。(画像右は、エラー回避のため長田氏に補助を受ける瀧澤氏の様子)
セッションは20分で終了し、その後にヘッドセットを取り外すが、その効果は約60分間継続するとのこと。

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最適な接触状態にするため、装着前にプライマー部分へ水を噴霧しておく。通電率を上げることが目的となり、水道水でも構わないが、その効率をより上げるため、今回はスポーツ飲料を僅かに混ぜたものを使用している。

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ニューロプライミング・セッションの実行中には、ウォーミングアップ(ストレッチやイージーランなど)や低負荷のトレーニングを行うことができるが、今回はリラックスした状態で装着していただいた。尚、ヘッドセットには外部入力端子があり、MP3プレイヤーなどに接続して音楽を楽しむこともできる。

検証実験は、『ヘイロー・スポーツ』の使用前・使用後に≪体力測定 4種目≫と≪射撃系トライアル 4種目≫を実施し、それぞれの計測を行った。

体力測定は、垂直飛び、立ち幅跳び、反復横跳び(1m幅20秒間)、握力(右手)の計4種目。
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射撃系トライアルは、エアガンを用いた≪タイムトライアル射撃 3種目≫と≪空撃ち 1種目≫の計4種目。(詳細は下記参照)
使用したエアガンは、システマ製 トレポンM4 と 東京マルイP226ガスガン。

米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験

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米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験
◆タイムトライアル/射撃①「伏せ」(伏せ姿勢からのスタート)
射撃ポジション①で、ターゲットAに背を向けて腹ばいになり、両腕を上げた状態で手元にライフルを配置。
スタート合図でライフルを手に立ち上がって振り返り、ターゲットAに2発当てる。
振り返ってターゲットBに2発当て、射撃ポジション②へ移動しながらハンドガンにトランジッション。
その後、ターゲットCに向け、片手撃ちで2発当てて終了となる。

◆タイムトライアル/射撃②「仰向け」(仰向け姿勢からのスタート)
射撃ポジション①で、ターゲットAに背を向けて直立姿勢で仰向けになり、身体の上にライフルを配置。
スタート合図で上体を起こし、ターゲットBに2発当てる。
身体を捻って腹ばいになり、ターゲットAに2発当てる。
立ち上がり射撃ポジション②へ移動し、ライフルで2発当てて終了。

≪射撃①と射撃②の共通ルール≫
※シューティングタイマーで、スタートから終了までの所要時間を計測。
※3セット行い、最短タイムを記録。
※各射撃ポジションから各ターゲットの距離は約3メートル
※ターゲットA、BのサイズはB4用紙ほどの長方形プレート。
※ターゲットC(ストッププレート)は直径約15センチ
※コースレイアウトは図参照
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◆タイムトライアル/ハンドガン
ハンドガンでプレート射撃。
ローレディからスタートし、両手(人差し指) → 右片手(人差し指) → 左片手(人差し指) → 右片手(中指) → 左片手(中指) の順で3発づづ当てる。
スタートから終了までの所要時間を計測。

※シューティングタイマーで計測
※1セットのみ計測
※ターゲットの距離は約3メートル
※ターゲットは直径約15センチ


◆コイン(コイン載せ空撃ち)
ハンドガン(ガスガンP226)のフロントサイト上に1円玉を平置きし、ハンマーが落ちた状態から引き金を引きスタート。
空撃ちを繰り返し、1円玉が落下したら終了。落とさず空撃ちができた回数をカウント。保持姿勢は自由。
注:目的はガク引き対策のトレーニング

米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験

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約4時間に渡って行われた検証実験の計測結果がこちら↓である。
米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験
グリーンカラーのセルは装着による効果が出たことを表している。
体力測定は平均的にやや低下気味となったが、射撃系トライアルは三者共に向上しており、その合計平均値はメーカーが報じている数値に近い「12.1%」という結果となった。「全身を使い、ターゲットに集中して静止し、指先を使う」というフィジカルとメンタルを合わせた総合的なモノで効果が得られたことになる。

検証終了後の3名の感想は…「視界が明るくなった」「ホロサイトがクリアに見えた」「勢いは増したが空回りした感覚」「使用回数が増えれば効果が上がりそうな気がする」…といった中々に興味深いものであった。また、今回とは別日で試着をおこなった被験者の中には、「視野角が広がり、更に後方が見えるようになった」「車で言えばアクセルのツキがよくなる感じ。瞬発力が上がって最大のパワーが出るまでの時間が短くなり、力加減もしやすく感じる」といった感想が寄せられている。
なお、筆者が取材中に受けた印象としては、「落ち着き」や「集中力の高まり」がそれとなく感じられた。また、体感より数値が早かったことに驚き、「えっ?今ので○○秒!?」という言葉が時より発せられたことが記憶に残っている。

米軍トップチーム導入の「能力覚醒ヘッドセット」の実力は?田村装備開発協力『ヘイロー・スポーツ』検証実験
メーカーでは「継続的な使用」を推奨しており、今回のような簡易的なものではなく、長期的に検証実験を行えば体力測定でも良い結果が得られたかもしれない。日本での認知度はまだまだであるが、密かに利用しているアスリートも居るようだ。ミリタリー業界も含めて今後世界的なブームが訪れる日が来るのかもしれない。

なお今回の企画について、メーカーからの利益享受は一切無く、製品は有料レンタルによる貸出品であり、いずれの検証項目も公平に計測を行ったことを注釈しておきたい。

ニューロイノベーション株式会社
http://halosport.jp/rental/

取材協力:田村装備開発
http://tamurasoubi.co.jp/
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Photo & Text: 弓削島一樹

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