ストライダーナイフ社が25周年を期に生産終了 今後はカスタムナイフ製作に注力
分厚い鋼材を使った荒々しいデザインの「戦闘用ナイフ」で知られるストライダーナイフ(Strider Knives)が同社名での25周年を期に生産を終了する。同社のナイフデザイナーであるミック・ストライダーがInstagramで明かした。今後はMSC(Mick Strider Custom)で、カスタムナイフの製作に注力するとのこと。
Screen shot from Strider Knives
同社名でのナイフ販売は2017年のBlade Showが最後となる。現在のラインアップは「Classic」ラインとしてMSCでも販売され、既存の製品に対するサポートも継続されるとのこと。
なお「25周年」の根拠ははっきりしない。公的な記録によればストライダー社の設立は2001年であるし、それ以前、ハンドメイドのナイフを販売し始めた時期は84年とも92年とも97年とも言われており起点は曖昧である。
Image from Mick Strider official Instagram
ストライダーナイフはアメリカ軍特殊部隊出身のミック・ストライダーが元海兵隊員のデュアン・ドワイヤーとともに立ち上げたブランド。ミック自身の実戦経験をもとにデザインしたという触れ込みで世に知られることとなり、日本でもミリタリー雑誌、ナイフ雑誌が大きく取り上げた。
しかしその後、ミック・ストライダーの経歴詐称が明らかになった。本名はミッキー・レイ・バーガー。軍歴はあるものの84年から86年のわずか2年間で、第75レンジャー連隊出身と自称していたが、記録によれば入隊試験コースの途中でドロップアウトしており、いわゆる特殊部隊の出身ではない。退役の理由も降下訓練中の負傷のためとしているが名誉除隊なのか不名誉除隊(素行不良等による除隊)なのかは明らかではない。
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94年には自動車強盗を働き5年間服役。MSCのサイトの自己紹介ではこの件について明記されてはいないものの「予期せぬ除隊に失望し、暫くの間人生を漂流した」と説明されている。
ストライダーナイフに関してはその他にも検証不可能な話が多い。一部ナイフのデザインに携わったとされるマイク・エイジャックスなる人物は自称元ローデシアSASだがその所属は現在に至るも確認されていない。
ストライダーに限らずニセ軍人がなんらかのビジネスに関わるケースは少なくない。軍隊・タクティカルという非日常の体験には価値があって、そこにお金を出す人がたくさんいるからだ。どうすれば彼らの不正を見破ることができるのか、悩みはつきないところである。
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201704
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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