ノルウェー軍の「Jegertroppen (Hunter Troop) 」は世界初の「女性だけの特殊部隊」
北欧、スカンディナビア半島の西岸に位置するノルウェーに、世界で初めての女性だけの特殊部隊「Jegertroppen (英訳では "Hunter Troop" ) 」が発足している。今年 2 月に、米国のシンクタンク「外交問題評議会 (CFR: Council on Foreign Relations) 」の発行する政治雑誌「フォーリン・アフェアーズ (Foreign Affairs) 」が特集した。
Photo: via Forsvaret
ノルウェーは、イスラエル同様 1985 年に、軍における戦闘ポジションを女性にも開放しているが、現実的には全体の中で僅か 10% に過ぎないでいた。
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こと特殊作戦においては、女性隊員はゼロであったことが伝えられており、その後に門戸が開放されるも志願者は殆ど無く、選抜試験をパスするものは現れなかったという。「女性隊員の欠如は、国際的な作戦に参加する中で、特殊作戦の効果に制限を課してしまう」そうした危機感が軍内部にあったとされる。
ノルウェー特殊作戦司令部によると、317 名中 88 名が初期選抜試験を通過、その中で 13 名の候補生が精鋭ハンタートゥループの年次課程へと駒を進めている。また、軍のリクルートページによれば、年次課程の卒業後は、特殊偵察任務の他、空挺降下、サバイバルといった訓練への参加が待っている。
ノルウェー国防省管理のファイルを検索してみると、2016 年 5 月 3 日に作成されたハンタートゥループの能力試験に関する資料がある。そこには、特殊部隊 FSK (Forsvarets Spesialkommando) による訓練プログラムに、最低限のフィジカル訓練として以下のスケジュールが組まれている。
Photo: via Forsvaret
4 月
・15 キログラムの荷物を背負って 7 キロメートルの行軍
(トレーニングウェア着用、タイム計測無し)
・200 メートルの水泳
7 月:
・15 キログラムの荷物を背負って 7 キロメートルの行軍
(トレーニングウェア着用、タイム計測有り)
・懸垂 1 回
・腹筋 35 回
・腕立て伏せ 20 回
・デッドリフト 20 回
・200 メートルの水泳
7 月 (計測)
・22 キログラムの荷物を背負って 7 キロメートルの行軍
(M04、行軍用ブーツ着用、武器携行、タイム計測有り)
・懸垂 1 回
・腹筋 35 回 / 分
・腕立て伏せ 20 回
・デッドリフト 20 回
・200 メートルの水泳
11 月 (空挺課程)
・22 キログラムの荷物を背負って 7 キロメートルの行軍
(M04、軍用ブーツ着用、武器携行、52 分以内)
・懸垂 5 回
・腹筋 35 回 / 2 分
・腕立て伏せ 35 回
・デッドリフト 20 回
・200 メートルの水泳
翌年 7 月 (ハンター通過者)
・22 キログラムの荷物を背負って 15 キロメートルの行軍
(M04、軍用ブーツ着用、武器携行)
・懸垂 8 回
・腹筋 50 回 / 2 分
・腕立て伏せ 45 回
・デッドリフト 25 回
・ポリステスト 32 発
・3,000 メートル走 (13 分)
・400 メートルの水泳 (11 分)
ノルウェー特殊部隊の司令官を務めるフロド・クリストフェルセン (Frode Kristoffersen) 大佐によると、「ハンタートゥループの女性隊員は、射撃スキルや監視能力に優れている」と評している。
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