「やりすぎCクランプ・グリップ」にならないために

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ライフルの構え方の1つに「Cクランプ・グリップ」というものがある。ライフルを握る手が後ろから見て「C」に見えるのがその由来であるが、このグリップについてはしばしば議論になる。今回は論点を少し整理した上で、さらに「これはダメだよね」という例を紹介したい。

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    「Cクランプ・グリップ」とは
    射撃方向に対して平行~ないしは45度ほど半身になって立ち、ライフルを下から支えるのがトラディショナルな構え方である。2008年度版のアメリカ陸軍のフィールドマニュアルに掲載されているのもこの構えである。

    これに対して、Cクランプ・グリップは射撃方向に正対して立ち、左手は親指を前にしてハンドガードの横に添えられる。左手の肘は後ろから見て7時~9時方向を指す。こちらは競技中のアメリカ陸軍マークスマンユニットの写真である。

    Photo by US ARMY

    Cクランプ・グリップの利点として挙げられるのは「複数の脅威(multiple threat)への対応が容易」という点だ。左手がハンドガンと同じ構えになっており、左右に銃を向けやすい。また正対して立つので移動でも有利である。

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    大量の的を撃つ3Gun競技ではもちろん、会敵距離が短く見通しの悪い室内でのCQBや、1人で現場にかけつけることの多い警察官向けのテクニックとして紹介されるのはこのためである。グリーンベレーがCQB訓練で採用したりなどしている。

    Photo by US ARMY

    Cクランプ・グリップの欠点として、特に歩兵経験者から挙げられるのが安定性のなさである。野戦での100m、200mという距離では銃口の角度が1度ずれるだけで人体サイズの的を外してしまう。そうした射撃はそもそも伏射・膝射が基本であるが、立射の場合は腕と体側で下から銃を支えるトラディショナルな構え方が有利である。例えばサービスライフルを用いた精密射撃競技ではこのように構えることが多い。

    Photo by USMC

    また銃を横から支えることで腕が疲労しやすいということを挙げる人もいる。倉庫や工場といった巨大施設や、村1つまるごとなどの長時間の家宅捜索では、腕が疲れやすい構え方では厳しい。

    これらCクランプグリップの長所・短所は裏返せばトラディショナルな構え方の長短になる。どちらかのみに習熟するのではなく達成したい目標、周囲の状況、使用する銃によってその都度適切な構えを使うべき、というのがここまでの結論だ。

    しかしながら「これはダメだよね」とされるのが「やりすぎCクランプ・グリップ(over-exaggerated c-clamp grip)」と呼ばれるものである。このような例である。

    腕を真っ直ぐ伸ばしきり、上から銃を掴んでいるため照準は安定しないばかりか、腕が邪魔になり左側が見えていない。プレートを着るとしても胴体ががら空きになるのはよくないとする人もいる。

    上の写真は「やりすぎCクランプ・グリップ」をからかうギャグとして撮影されたものだが、実際にトレーニングに参加している人の中にもこれに近い構えをとる人がいる。


    Photo by Loadout Room

    タクティカルインストラクターの中にはなんでもかんでも「やりすぎCクランプ・グリップ」で撃つ人が多いようだ。他人のファッションにとやかくいうのは野暮というものだが、何か意図があってのことなのか疑問は尽きないところである。

    Source: The Over Exaggerated "C" Clamp Grip...Hype or Not?

    Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201704
    Chaka (@dna_chaka)
    世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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