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電磁アクチュエーター駆動のSF的自動小銃「FDM L5」をアメリカ陸軍が少数購入

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電磁アクチュエーター駆動のSF的自動小銃「FDM L5」をアメリカ陸軍が少数購入
現代の自動火器の多くは機械式制御が行われている。外部電源がなくとも動作するため使用環境を選ばない一方、その動作は複雑・繊細になりがちである。しかし、コロラド州を拠点とするフォワード・ディフェンス・ミュニション(FDM)社は、これを克服する自動小銃を開発中だ。
Forward Defense Munitions L5 Caseless Ammo Rifle
FDM社が開発中の「L5 Caseeless Gun」は、ファイアリングピンを電磁アクチュエーターで駆動し、プライマーを叩く自動小銃である。「ケースレス」を謳っているが、弾頭・火薬・プライマーはマガジンを兼ねた6mm口径の弾薬カセット内に収められている。「銃身」には5つの銃口があり、弾薬カセットにもそれに対応した5つのチェンバーがある。

弾薬カセット。これは前の4銃身バージョンのもので4発分が1つのカセットに収められている。
電磁アクチュエーター駆動のSF的自動小銃「FDM L5」をアメリカ陸軍が少数購入
Photo from FDM web page

複数のカセットをまとめて銃に挿入できる。
電磁アクチュエーター駆動のSF的自動小銃「FDM L5」をアメリカ陸軍が少数購入
Photo from FDM web page

縦に5つ並んだ「銃身」
電磁アクチュエーター駆動のSF的自動小銃「FDM L5」をアメリカ陸軍が少数購入
Photo from FDM web page

アクチュエーターもチェンバーごとに1つ装備されている。
電磁アクチュエーター駆動のSF的自動小銃「FDM L5」をアメリカ陸軍が少数購入
Photo from FDM web page

内蔵バッテリーの容量は1万5千発分。1発ずつ発射するのはもちろん、5発同時に発射する「ショットガンモード」もある。発射速度に換算すると秒間250発という高速なものになる。

発火にバッテリーなど外部動力を必要とするのが欠点だが、駆動するのはアクチュエーターのみで、複雑な機関部が必要ないため軽量である。またバレルとチェンバーが5組あることから不発やバレル内での停弾にも対処しやすい。またトリガーメカではなくソフトウェアで動作をコントロールできるので、外部の電子照準器などとの接続も容易である。既にアメリカ陸軍の研究機関が購入し、様々なテストが行われているという。

電子的にコントロールする火器といえば、過去には「MetalStorm」システムが存在していた。銃身の中に弾薬と発射薬が交互に挿入されており、電子制御で先頭のものから順番に着火、発射するというものだ。多銃身から一気に発射し、換算すると6万発/分という、機械式では不可能な凄まじい発射速度を実現していた。

Metal Storm - YouTube

Source: fdmunitions

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201810
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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