国土の98%が砂漠地のアフガニスタンでANA戦闘服は森林迷彩?監察官が米国の血税の無駄遣いを指摘
米国のアフガニスタン復興担当特別監察官(SIGAR: Special Inspector General for Afghanistan Reconstruction)が21日付で、適切なテストと評価を行わずにアフガニスタン陸軍(ANA: Afghan National Army)に向けた森林迷彩パターン戦闘服の選択・設計の監督をおこなったことで、米国民の2,800万ドル(=約31億円)におよぶ血税が無駄遣いされていたことを発表。国防総省に非難の声が寄せられている。
Photo from HyperStealth Biotechnology
2007年、アフガニスタン国防省が新たな迷彩服の開発に乗り出している。その背景にあるのは、それまでの6年間において悩まされてきたタリバンによるテロ攻撃が挙げられる。当時、アフガニスタン軍の一般部隊・特殊部隊では、米陸軍のウッドランド迷彩の戦闘服を使用していたが、これを入手したタリバンがテロ攻撃の際に悪用。紛れ込む事例が多発していた。その事態を重く見た米国をはじめとする多国籍軍が、アフガニスタン治安部隊の整備と訓練に乗り出す中で、数百万ドル規模の予算を投じており、迷彩服の新規手配もその一環に含まれていた。
新型の戦闘服は米陸軍で支給されていた戦闘服(ACU: Army Combat Uniform)に類似したものの、ファスナーからボタン仕様に変更されるなど、コストは遥かに高いものとなっていた。
一報を掲載したUSAトゥデイのインタビューに対してSIGARの監査官は、「国防大臣が良いと思っただけで、無駄遣いされるなんてたまったもんじゃない。もし彼がピンクや黄緑といった奇抜なカラーが良いと思えばそうしたのだろうか?」と呆れ混じりに応えている。
当然のことながら、迷彩戦闘服は展開する地域の環境に適応した「迷彩効果」が高いものでなければならず、本来、採用に至るまでの評価・試験は、厳しい基準に即して実施さる。アフガニスタンの場合、国土の実に98%が砂漠地帯であるわけなので、普通に考えればデザート迷彩パターンが採用されるが、採用されたのはそれとは植生が真逆の森林パターン。このことからも、今回の選考過程が如何に杜撰(ずさん)であったかが明白として厳しく追及されている。
新型の戦闘服は米陸軍で支給されていた戦闘服(ACU: Army Combat Uniform)に類似したものの、ファスナーからボタン仕様に変更されるなど、コストは遥かに高いものとなっていた。
当時、アフガニスタンで国防大臣とその後に大統領のシニア軍事顧問という要職を任命されていた「アブドゥル・ラヒム・ワルダック(Abdul Rahim Wardak)」氏が今回の件の渦中になる人物だ。ワルダック国防大臣は、カナダの迷彩開発企業、ハイパーステルス・バイオテクノロジー社(HyperStealth Biotechnology Corp.)製の「スペックフォース・フォレスト(Spec4ce Forest)迷彩」を大そう気に入り選定している。SIGARのレポートによると、その選定理由に技術的根拠はなく、大臣がネットで見た際に「これがイイ!」と気に入ったためという呆れた理由だったことが示されている。
Afghan Defense Minister Abdul Rahim Wardak, center-left
Photo Credit: Courtesy photo
Spec4ce Camouflage Pattern Options
A Selection of the U.S. Government-Owned Camouflage Patterns Available at the Time
一報を掲載したUSAトゥデイのインタビューに対してSIGARの監査官は、「国防大臣が良いと思っただけで、無駄遣いされるなんてたまったもんじゃない。もし彼がピンクや黄緑といった奇抜なカラーが良いと思えばそうしたのだろうか?」と呆れ混じりに応えている。
当然のことながら、迷彩戦闘服は展開する地域の環境に適応した「迷彩効果」が高いものでなければならず、本来、採用に至るまでの評価・試験は、厳しい基準に即して実施さる。アフガニスタンの場合、国土の実に98%が砂漠地帯であるわけなので、普通に考えればデザート迷彩パターンが採用されるが、採用されたのはそれとは植生が真逆の森林パターン。このことからも、今回の選考過程が如何に杜撰(ずさん)であったかが明白として厳しく追及されている。
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