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なぜ革命の闘士『チェ・ゲバラ』の顔写真はTシャツになって大量消費されるに至ったか

海外軍事
「チェ・ゲバラ」ことエルネスト・ラファエル・ゲバラ・デ・ラ・セルナは、フィデル・カストロらと共に独裁者を打倒し、キューバに社会主義政権を打ち立てた「革命の英雄」である。

そんな彼と「ファッション」という言葉は結びつきにくい。いったいどのようにして、彼の肖像は大量消費のアイテムとなるに至ったのだろうか。

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    「あの顔」として知られる写真「Guerrillero Heroico(英雄的ゲリラ)」は1960年3月5日、キューバの写真家アルベルト・コルダが貨物船ラ・クーブル号爆破事件の犠牲者の葬儀で撮影したものだ。コルダはイタリアで出版されていた革命運動の機関紙「レボルシオン」の写真記者で、この写真は編集部に送られたが、その後忘れ去られたままになってしまった。

    撮影当日のフィルム・ロール。ゲバラを捉えたのはわずか2コマであった。「英雄的ゲリラ」は横向きの写真である。

    Photo from Wikipedia

    その後、ゲバラはキューバを去り、再び革命の闘士としてゲリラ戦に身を投じるようになる。その理想主義的な思想やライフスタイルは反体制的な気質を持つ世界中の若者たちを魅了するようになっていた。その偶像性は1967年、ボリビアでゲバラが政府軍に処刑されると頂点に達した。

    「レボルシオン」がコルダから手に入れた「英雄的ゲリラ」をポスターにして売り出すと、イタリアだけで100万枚以上が売れたという。1968年にはアイルランドの芸術家であったジム・フィッツパトリックが肖像画を制作し、こちらは1968年のフランスの学生運動「5月危機」で反体制のシンボルとなった。

    ジム・フィッツパトリック本人と「英雄的ゲリラ」を元にしたポスター。元の写真からは目の位置などに編集が加えられている。

    Photo from jimfitzpatric.com

    ポップアートの大御所、アンディ・ウォーホルの知己であったジェラルド・マランガはウォーホルの画風を真似て肖像画を制作し、これを美術館にウォーホルの作品として売りつけ富を得た。ウォーホルは後にこれを自分の作品として「認定」し、ロイヤルティを得ている。

    「英雄的ゲリラ」は、冷戦下の西側世界における反体制の象徴として大いにもてはやされた。やがてその思想は忘れられ、今はただイメージだけが利用されるようになった。ゲバラが目指した理想とはまったく無縁の人、いわゆるセレブリティ達がゲバラの顔が描かれたTシャツを身につけていることも多い。コルダが著作権を大きく主張しなかったということも手伝い、ありとあらゆるアパレルメーカーが商品にゲバラの顔を使用するようになった。

    社会主義の世界を夢見た革命家の肖像が、資本主義的な大量生産と消費のサイクルに取り込まれ、アパレルメーカーを潤した、というのは皮肉な話である。

    Source: Che Guevara in fashion - Wikipedia
    How the Che Guevara t-shirt became a global phenomenon | Dazed

    Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201803
    Chaka (@dna_chaka)
    世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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