タリバン戦闘部隊は10~16名につき夜間暗視装置を1セット装備。アフガニスタンと米軍の優位性を揺るがす

ミリタリーブログサポートチーム

2019年09月30日 17:20


Photo by Senior Airman Sean Carnes
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アフガニスタン駐留米軍の撤退を含めたタリバンとの和平交渉が中止となり、その再開の目途が立たない中、タリバン戦闘員が夜間暗視ゴーグルや狙撃銃など高性能な装備を入手し、米軍・アフガニスタン政府軍の夜間における優位性を奪っている実態が報告されている。

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国連安全保障理事会(United Nations Security Council)の報告によると、「タリバン側は10~16名のグループ(部隊)につき、少なくともナイトビジョン装置×1セット、スナイパーライフル×1挺という装備を持つ」と考えられている。

これまでに確認されたのは、BAEシステムズ製、パルサー製、ATN製などのサーマル装置で、中にはドラグノフ用に揃えたソ連軍の1PN夜間暗視スコープといったものが含まれている。
こうした夜間暗視装置の多くは、タリバンがアフガニスタン軍やその精鋭コマンド部隊を襲撃・略奪している他、汚職や戦場での紛失、地元の武器市場などを通じて手中にしたとされる。

また米軍はアフガニスタン軍に対して旧式の「PVS-7」を、一部の特殊部隊には「PVS-14」を提供している。しかし、2018年12月に国防総省がおこなった報告によると、アフガニスタン軍に提供されたこれら夜間暗視装置の内、約1,000セットの行方が分からなくなっている。

そしてこれらハイテク装備を使ってタリバンは、地方で孤立した監視所などを襲撃し、軍・治安部隊の士気を削り、その支配地域の拡大を図っている。

Source: Tenth report of the Analytical Support and Sanctions Monitoring Team submitted pursuant to resolution 2255 (2015) concerning the Taliban and other associated individuals and entities constituting a threat to the peace, stability and security of Afghanistan
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