アメリカ海軍がルームクリアリング後の監視用超小型モーションディテクターの特許取得

ミリタリーブログサポートチーム

2020年02月28日 20:15


USCENTCOM for illustration purpose only.


アメリカ海軍情報戦センターは産学共同研究によって「Room breach digital sensor alert device(RBDSAD……部屋内侵入者検知警告装置)」を開発、特許を取得した。

建物のクリアリングでは部屋の中にとどまっている敵だけでなく、建物の中を動き回っている敵にも留意しなければならない。当然一度制圧した部屋であっても、敵が戻ってきている可能性を考慮して行動する必要がある。このため、軍や警察の突入部隊では、制圧した部屋に隊員を1人残して警戒させることがあるが、これが戦力を削いでしまうことが問題であった。

RBDSADはモーションセンサーやLEDを組み合わせた小型のデバイスで、制圧した部屋に置いておき、周囲に動きがあれば音や光など様々な方法で知らせてくれる。電池駆動式で再利用が可能なため、制圧区域の移動とともに回収・再設置もできる。カメラを組み合わせることで、侵入者の記録を残すこともできるという。

また、任意の色に光らせることができるため、制圧終了の目印として使うケムライト(折って薬剤を混ぜると化学反応で発光する使い捨て光源)の代わりになる。


Image from U.S. Patent Office

Image from U.S. Patent Office
ケムライトは様々な用途で大量に使用されるが前線の部隊では補給が追いつかない事態もある。荷物もその分増えてしまうため、アメリカ空軍では再利用可能なケムライトが考案されるなど、様々な対策・代替デバイスが検討されている。

Air Force Tech Report: Chem Light Replacement - YouTube


電子デバイスの高度化によってこれまでの機械式・化学式であった様々な装備が置き換えられるケースは増えている。コンピューターによるより細かな制御によって、高い効果を得られるようになるものもあるようだ。

参考記事:
ARA社が圧縮CO2による大音響とLEDライトで発光する火気不使用のフラッシュバンを開発 - ミリブロNews

Source: US10553090B1 - Room breach digital sensor alert device - Google Patents

Navy invents tiny motion detector for marking, monitoring cleared rooms | TechLink

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM202002
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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