世界最大級のルガー拳銃コレクションを含むプレミア・オークションが4月開催

ミリタリーブログサポートチーム

2015年03月24日 14:16


Photo: Rock Island Auction Company
アメリカ屈指のルガー・コレクター、ラルフ・シャトック (Ralph Shattuck) 氏が擁する「ジーン・スミス・ミリタリー・コレクション」は世界最大級のルガー拳銃コレクションだ。彼の自宅は世界中からルガー・コレクターが巡礼に訪れるほどのものであったが、氏は2010年に死去。この度、その膨大なコレクションが、銃火器専門のオークションであるロックアイランド・オークションに出品されることとなった。
※本稿は海外実銃に関する話題を掲載しています。
19世紀末、DMW(ドイツ武器弾薬製造社)社のゲオルグ・ルガー (Georg Luger) が、ボーチャードピストルを元に作り出したルガー自動拳銃は、使用する9mmパラベラム弾とともにロングセラーとなったモデルである。ドイツ軍だけでなく周辺各国の軍や民間向けに輸出されており、第2次世界大戦中、ワルサーP38が採用された後も生産が続けられ使用されてきた。アメリカのファッションブランド「アバクロンビー&フィッチ」もキャンプ・狩猟関連用品を販売していた20世紀初頭に、同社刻印入りのルガーを輸入・販売している。

2015年4月24日から26日にかけて行われるオークションには、アメリカ軍制式採用トライアルモデルをはじめ、世界に数丁ほどしか現存しない各国軍用・民間刻印モデル、銃身長違い、カービンモデルなどあらゆるモデルが出品される。予想落札価格はメジャーなものは1000ドル(約12万円)からとなっているが、希少性の高いものでは1万ドルを超えるものも珍しくはない。

特に試作型でトグルハンドル部分の噛み合わせが前後逆になった「リバース・トグル」などは最低予想価格が2万ドルという珍品となっている。

Photo: Rock Island Auction Company

期間中にはルガーの他にも、日本軍が少数輸入したピダーセン自動小銃からコピー試作していた「試製自動小銃・甲」など「ジーン・スミス・ミリタリー・コレクション」の逸品が出品されるほか、同年代のアンティーク銃が並ぶとのこと。

Photo: Rock Island Auction Company

これだけのコレクションともなると、すべてを引き受けられる個人は存在しないためどうしても散逸してしまう。貴重な工業史の証人でもあるだけに、よい持ち主のところに渡っていつまでも残ってほしいものである。

Source and Images from: The Rock Island Auction Blog: A Lifetime of Lugers
Premiere Firearms Auction - April 24, 25, & 26, 2015
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201503
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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