カメラにストックが装着、超レアなライフル型のライカ製カメラがオークションに出品

ミリタリーブログサポートチーム

2015年06月18日 17:02


Photo: New York Leica Gun RIFLE Prototype
/ liveauctioneers.com
カメラにストックが装着されたライフル型の超レアなライカ製フィルムカメラ『 New York Leica Gun RIFLE Prototype 』が、世界中の写真愛好家達が集うカメラオークション:WestLicht Photographica Auction House に出品された。


Leica official website
カメラメーカーのライカ( Leica )はドイツの超高級老舗ブランドであり、前身は1849年に設立した顕微鏡メーカーのオプティシェス・インスティトゥート( Optisches Institut )。1905年にカメラ生産に参入し1912年に映画用カメラの試作を始めている。現在のカメラ用語で通称“フルサイズ”と呼ばれるフィルムサイズ規格の24×36mm判(別名:35ミリ判・135フィルム)を用いるカメラが初めて「ライカ」と名付けられ、1925年に生産/販売された。24×36mm判は別名“ライカ判”とも呼ばれ、標準的なフィルムカメラに用いらたことで広く認知されている。

ドイツ語で「 Leica Gewehr 」と呼ばれる『 New York Leica Gun RIFLE Prototype 』は、20世紀前半に活躍したイタリアの探検家で写真家/映像作家のアッティリオ・ガッティ( Attilio Gatti )の野生動物写真に触発され、スポーツや野生動物といった動く被写体用のカメラとして、1939年にアメリカのライカ販売代理店:ニューヨーク・ライツ社でプロトタイプとして製造された。
ライフルと同様にカメラで長距離を狙う際は“ブレ”が大敵となる為、その対策としてストックが装着され、シャッターボタンとミラーレフレックスを制御するケーブルレリーズを改良して作られたダブルトリガーシステムや、ライフルスコープのようなアングルファインダー(ミラーレフレックスハウジングとバレルファインダー)を備えている。まさに“ハンティング用カメラ”と呼べる構造となっている。


カメラと外付けストックの組み合わせ例。写真は BushHawk 製のカメラストック。
その当時、ライフル型のカメラが市場に普及しなかった理由として、そのシルエットから公共の場で誤認されることをカメラユーザーが恐れた為のようだ。実際に、似たような形のカメラを使用して逮捕者が出ている。尚、現在ではカメラアクセサリーメーカーなどから、カメラに装着可能な外付けストックが発売されている。


Photo: New York Leica Gun RIFLE Prototype
/ liveauctioneers.com
専用のキャリングケースに収められた『 New York Leica Gun RIFLE Prototype 』は、ライカ製の100%オリジナルで、外観は美しく各部の作動は完璧な状態であるとしている。6月13日から始まったオークションは15万ユーロ(約2080万円)でスタートし、落札価格は30万〜35万ユーロ(約4160万~約4850万円)を予想しているようだ。

Liveauctioneers
Text: 弓削島一樹 - FM201506
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