アクセサリーのバッテリーソースを統合したレイルシステム
米国ニューハンプシャー州のウィルコックス・インダストリーズ社は、フュージョン・システムと呼ばれるレイルシステムを製品化している。
近年、ライフルにはウェポンライトやレーザーサイトなど、バッテリーで作動する様々なアクセサリーが搭載されているが、これら全ての電子機器のバッテリーを統合しようというアイディアから生まれた製品が、同社のフュージョン・システムである。
フュージョン・システムを使用したフォアエンドのレイル上には専用配線が用意されており、レイルにアクセサリーを搭載すると、バーチカルグリップ内のバッテリーから電気が供給され、フォアエンドの左右に埋め込まれた専用スイッチによりオン・オフをコントロールできる仕組みだ。
このバーチカルグリップ内に収納されたバッテリーは、同社が「グリップ・パワー・カセット」と呼ぶシステムで、フォアエンドのアンダーレイルのどの位置でも作動するよう設計されている。
3ボルトのCR123Aリチウムバッテリー1本を使用し、バーチカルグリップの底から入れる構造だ。
このシステムの大きな利点は、それぞれ個別のアクセサリーにバッテリーを搭載する必要がなくなり、小型化できる点だ。
ウェポンライトの場合は、ライトのヘッド部分だけ搭載する状態となるためスッキリとした外観で、銃がよりコンパクトになる。また、レイルのどの位置にアクサセリーを搭載しても電気が供給されるので、非常に自由度が高い。
もちろん、同レイルはNATO標準のMIL-STD-1913となっており、一般的な他社アクセサリーも搭載可能だ。
SHOT Show 2016ではウィルコックス・インダストリーズ社とUAEのカラカル社との提携がアナウンスされ、カラカルCAR816-A2アサルト・ライフルにフュージョン・システムを搭載してデモンストレーションが行われた。
CAR816-A2はショートストローク・ピストンを搭載したAR-15系ライフルである。また、ウィルコックス社は同社の40mm口径のアドオン・グレネードランチャーをCAR816-A2に搭載し、左右どちらからでも弾を装填できるアンビ設計を紹介した。
現在、CAR816-A2はニューハンプシャー州のウィルコックス社で製造されているという。
Caracal 2016/01/24
Text:
ポル - FM201602
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