米陸軍次期制式ピストル選定が再び延期

ミリタリーブログサポートチーム

2016年02月10日 12:42


Photo: Courtesy of U.S. Army
米陸軍は次期制式ピストルの選定を進めているが、請託期限が2週間遅れ、予定されていた1月28日から2月12日午後1時へと締め切り日時が変更された。東海岸は大雪に見舞われているが、天候による遅れなのか定かではない。

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現制式採用中のM9ピストルを製造するベレッタ社の他、SIG社、グロック社、S&W社各社も参加予定である。H&K社は参加しないとみられており、スタームルガー社のCEOも、現在のところ参加予定はないと語っていると報じられた。

これら大手企業が参加または不参加を表明するなか、中小のガンメーカーは、以前ジョン・マケイン上院議員が(次期制式ピストル選定は)「複雑」や「無駄」とコメントしたように、多額のコストと複雑なプロセスを要する選定に参加することを避けている状況だ。

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請託の草案は2014年9月に提出され、2015年1月に終了すると予定されていた。しかし、陸軍は2015年1月21日に企業から更なる意見を聞くための追加のインダストリー・デイ(参加軍需企業によるプレゼンテーション)が必要と発表し、当初より計画が遅れていた。

新たな締め切りが設けられたことで、既に提出済みの企業も内容を補足したり情報を追加するなどの変更が認められる。
陸軍が探し求めている次期制式ピストルの条件は、グリップサイズを変更できるモジュラー式グリップを装備し、撃発にストライカー方式を採用することでハンマーを必要としない構造だ。全ての評価を終えたら最終的に3モデルが選出され、その後は現場の兵士たちによってテストされ最終判断が下されることになる。

ベレッタ社は従来のM9ピストルに改良を加えたM9A3を投入する予定だったが、陸軍はこの提案を退けている。そこで、同社はAPXピストルを改良したモデルを提出した。

SIG社は2種類のP320ベースのピストルを提出し、一つは9mmNATO弾仕様で、もう一つはそれ以上の口径サイズとなる。FBIが現在採用している.40口径から9mm口径に変更しようとしているように、市場では9mm弾が再注目されているが、SIG社は陸軍がどちらの口径や弾薬を選択しようとも、陸軍が求める仕様のピストルを提出する用意があるという。

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S&W社は2005年にデビューしたM&Pピストルを提出する予定だ。
グロック社は現時点で詳細を明らかにしていない。
また、アーミータイムスによると、FNハースタル社にコメントを求めたものの、返答は得られていないという。

Army Times 2016/02/01
Text: ポル - FM201602
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