インストラクターのトラヴィス・ハーレイが「暴発動画」で炎上

ミリタリーブログサポートチーム

2016年02月10日 17:42

銃口を人に向けたりトリガーに指をかけっぱなしにしたりといった安全意識の低い行動がしばしば批判の的となる。しかもインストラクターという立場の人間がそれをすれば「炎上」は避けられないが、業界の有名インストラクター、トラヴィス・ハーレイが教習動画の撮影中にAK自動小銃を暴発させている映像がネットで公開されたことから「ND(暴発)ゲート」という騒動が起きている。

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問題の動画はタクティカルトレーニングの動画を多く撮影しているPanteao Productionのチャンネルにアップロードされたもの。URLを知らないと見られない状態になっていたが、タクティカル情報サイト「Soldier System」などにキャッチされて炎上したため、Panteaoは一時この動画を削除していた。
トラヴィスがAK自動小銃の安全管理方法を解説しているシーン。「あまり勧められない」として指をトリガーガード前部に押し付けて指をロックする方法を紹介している際、指がすべってトリガーに当たり弾丸が発射された。


Capture screen: Panteao Production's movie
射撃する際は耳と目の保護をする、というのが安全管理の鉄則であるがこの動画ではトラヴィスはイヤマフを外してしまっている。これは暴発を装った台本通りの発射ではなく、人的ミス(ND……Negligent Discharge)ではないか……とする意見が相次いだ。

トラヴィスはこれに関し「このテクニックの危険さを教えるためのシーンだったが、何度も撮り直しているうちにイヤマフをするのを忘れてしまった。驚いているのは音の大きさにびっくりしただけなのだけど、Panteao側が暴発に見えるように編集してしまった」とコメントし、予定通りであったこと、Panteaoが自らの名誉を傷つけたことを強調している。

しかしPanteao側は「動画は内部向けの研修用として非公開状態だった。NDかどうかについて、撮影時は誰もが実射しないデモだけだと考えていたので耳栓をしていなかったし、トラヴィスにそうするようにとも言わなかった」と暴発であったこと、名誉を傷つける意図はないという真逆の声明を出した。同時に「誰しもがミスをしうるという最高の例になるのではないか」と改めて安全管理の重要性を指摘している。

Panteaoとトラヴィスはトラヴィスの「タクティカル・トレーニング動画には賞味期限があり、古いテクニックをいつまでも公開するわけにはいかない」という発言がバイラルしたのをきっかけとして、2015年に関係を解消している。

Source: Soldier Systems NDGate – Panteao Productions Responds to Travis Haley’s Allegations
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201602
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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