あなたが知らないM4カービンの5つのこと

ミリタリーブログサポートチーム

2016年03月10日 19:51

Military.comはYoutubeチャンネルに動画「あなたが知らないM4カービンの5つのこと」を公開した。動画ではM4カービンの発展の歴史や経緯について述べられている。
1.M4は近接戦闘で使用するために開発された
1980年代終わりから1990年代初頭ににかけ、米軍はパナマやソマリアに軍事侵攻した。
これを切っ掛けに米軍は市街地での近接戦闘を戦ううえで、より軽量なライフルが必要であるとの結論に至った。そしてM16ライフルを改良し、1994年にM4カービンを発表した。
M4カービンはテレスコピック・ストックを採用し、伸縮可能となった。銃身長は14.5インチバレルと短くなり、フラットトップレシーバーにピカティニーレイルが装備され、着脱式キャリングハンドルが搭載された。使用弾薬は5.56x45mmNATOグリーンチップ・カートリッジが使用され、有効射程距離は約600メートルである。
このように、軽量で全長が短いM4カービンは近接戦闘で扱いやすいライフルであり、もちろん長距離も狙えるライフルに仕上がった。

2.初めてシルバースター勲章を受けた女性兵士は、近接戦闘でM4カービンを使用した
2005年3月、第617憲兵中隊のリー・アン・ヘスター軍曹はイラクで約30台のトラックによる物資輸送の護衛任務にあたっていたところ、約50人からなるイラク武装反乱兵から待ち伏せ襲撃をうけた。約25分間続いた戦闘にて、彼女は自身のM4カービンで複数の反乱兵を倒した。この戦闘により彼女はシルバースター勲章を授与されることとなった。

3.M4カービンで使用されているパーツの内、80パーセントはM16と殆ど同じである
M16ライフルは1967年2月28日から米軍制式ライフルとなり、ベトナム戦争に投入された。M4カービンはM16ライフルから発展し、80パーセントのパーツは似ているが、全く同じではない。その理由は使用弾薬にある。どちらも5.56x45mm弾を使用するが、当時のM16ライフルはM193カートリッジを使用し、M4カービンではM855カートリッジを使用した。M855カートリッジにはボディーアーマーを十分に貫通する能力があるが、M193にその能力は備わっていない。

4.M4A1は殆どの米軍特殊部隊で採用されている
1994年に登場したM4カービンは、いくつかの改良を重ねて現在に至っている。ナイツアーマメント社によるクワッド・レイルシステムにみられるM4モジュラーシステムが代表例だ。また、フルオートの代わりに3点バーストシステムを採用し、M4A1が完成した。M4A1ではヘビーバレルが使用され、連続射撃に耐える性能を併せ持つ。このバレル変更に伴い、より洗練され高性能なM855A1カートリッジが使用されることとなった。このように発展を遂げたM4A1は、殆どの米軍特殊部隊で採用された。

5.M4系ライフルは民間市場で人気のライフル
M4ライフルはフルオートマチックのライフルであることもあり、民間市場では所有できない。そのため、民間市場ではセミオートマチック・バージョンのM4スタイル・ライフルが人気だ。コルト社、ブッシュマスター社、FN社など、様々なメーカーが製造しており、今日の米国市場で大きな存在感を示している。

Military.com 2015/06/04
Text: ポル - FM201603
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