2016年07月20日 18:02
米特殊作戦司令部 (USSOCOM) 発出による M4A1 用の「消音アッパーレシーバーグループ (SURG: Suppressor Upper Receiver Group) 」計画について、幾つか気になる情報があった。
SURG Solution by Stealth Engineering Group
まず、熱管理ソリューション (Thermal Management Solutions) に向けた提案として掲げられた中でキーワードとなってくるのは、物質における「熱伝達」の三要素である①熱伝導、②対流、③放射 (輻射) であり、これらの現象を踏まえた上で、「反斜壁」「難燃性」「真空」の利用が重要となってくることを解説している。
Proposed Thermal Management Solution via DTIC
熱伝導のプロセス
熱伝導のプロセスでは、分子の中で熱エネルギーが衝突し合いながら伝わっていくが、①真空の場合は、空気の分子自体が存在していない為に、熱伝導の発生が無い。また、②熱伝達の中で 2 番目の要素となる「対流」についても、真空であれば空気が存在していないために対流自体が生じない。そして③については、太陽が地球に熱を伝えている原理を例に、熱が赤外線などの電磁波を放射することで、真空地帯である宇宙空間を隔てて地球表面へ熱エネルギーを伝えている。
1 社目で紹介されているのは、「ステルス・エンジニアリング・グループ (SEG: Stealth Engineering Group) 社」。同社は、軽量拡張型消音器 (LES: Light Enhanced Suppressor) (Patent# US9091502B1) や、シートメタル形状バッフル (Sheetmetal Baffle) (Patent# US9115949B1)、ヒンジ式サプレッサーマウント (Hinge Suppressor Mount) (Patent# US9222747B1) などの特許製品を抱えているサプレッサー製品関連の開発メーカー。今回、SURG 計画への参入に当たっては、コロラド州に拠点を置き、米国内で 30 年以上に渡り製造事業を営み、軍・法執行機関向け製品としても認められているアルマゲドン・タクティカル (Armageddon Tactical) とチームを組んで臨んでいる。
SURG Solution by Stealth Engineering Group
また、タクティカルギア関連のニュースやレビューを掲載しているジャーキング・ザ・トリガー (Jerking the Trigger) によると、SOCOM 向けの提案には SEG 社のサプレッサー技術と、特別カラーを施したアルマゲドンの「GMS-15 チャージングハンドル」を含めて提出しているとのこと。