米海兵隊 M40 スナイパーライフルの最新バージョン「M40A6」

ミリタリーブログサポートチーム

2016年07月27日 00:42

米海兵隊システム司令部 (Marine Corps Systems Command) が、M40 スナイパーライフルの最新バージョンとなる「M40A6」の紹介映像を公開した。海兵隊の歩兵用武器・システム全般とその統合管理を担う「PM-IWS (Program Manager Infantry Weapons Systems) 」が今春、海兵隊全域のスナイパーに対して M40A6 の手配を始めていたとしている。

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2013 年 7 月、海兵隊は M40 モジュラーストック計画 (Modular Stock Program) に向けた要請書を発出。アップグレードの特徴としては、フォールディングストックに始まり、現行 M40 との間で作動とバレルの互換性を持つことや、車輌など限定された空間において輸送を容易とするよう更なるコンパクト化の追求、そして M40A5 の時に限定的だったレール対応箇所の延伸によって拡張性を図り、各種アクセサリ類の取り付け、拡充を狙うことなどが盛り込まれていた。


Photo: Remington Accessory Chassis System (RACS)
2014 年 11 月、レミントン社はそれまで M40A3/A5 で使われていた McMillan Tactical A4 に替わって、M40A6 用にモジュラーストック (RACS: Remington Arms Chassis System) ×2,000 セットを受注している。なお、2015 年 3 月に、M40A6 プロトタイプに関する情報を真っ先に報じたソルジャー・システムズ・デイリーによると、RACS の開発においては、Cadex Defence 社の協力があったとしている。

海兵隊能力開発局 (MCCDD: Marine Corps Capabilities Development Directorate) が 2016 年 4 月 29 日に作成した資料「海兵隊における小火器の近代化の概要」によると、M40A6 は、携行性と射手の人間工学面における改善のためにモジュラーストックを提供し、改良されたバレルによって、精度と飛距離を維持しながらも、全長・重量の削減を図るとしている。


via Marine Corps Capabilities Development Directorate (MCCDD)
MCCDD では、2016 会計年度の第四四半期に初期運用能力 (IOC) を、その 1 年後となる 2017 会計年度の第四四半期に完全作戦能力 (FOC) の獲得を目指すことを掲げている。また、その後の運用については、M107 と同様に 2027 年までの運用を見据えているが、2021 年の第二四半期より「長距離高精度ライフル (LRPR: Long Range Precision Rifle) 」の導入がスケジュールに組み込まれており、こちらは 2035 年までの運用をおこなうことが計画されている。
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