反動をほぼキャンセルできる不思議なオートマチックライフル「サイガ MK-107」

ミリタリーブログサポートチーム

2016年08月23日 16:20

弾が重たければ重たいほど、初速が高ければ高いほど、発射時に弾が銃を押す力は強くなり銃口は大きく跳ね上がる。これをキャンセルするためにKRISS社のVector SMGの「Super V」など、色々なシステムが研究されてきた。
特にロシアでは旧ソ連時代からこうした反動キャンセル機構の開発が活発である。サイガ・MK-107は軍用のAK-107から転用されたモデル。輸出を重視し.223レミントンを採用しているが、ロシアの5.45×39 mmモデルも用意される。

MK-107は発射と同時にカウンターウェイトを前方に振り出す「バランスド・アクション」方式によってボルトの動きを相殺し、反動を軽減している。

かなりの効果があるようで、こちらの動画では発射ガスで銃口の動きを抑制するマズルブレーキとあいまって、ほぼ反動をキャンセルできている。

Saiga MK107 Russian IPSC shooter Oleg Rybalkin - YouTube

以前、元デルタのラリー・ヴィッカーズも一般的な機構の自動小銃と撃ち比べているが、その反動の少なさに驚きを隠せなかったようだ。
Russian AK-107 - YouTube

ロケット推進方式やレーザーガンでもない限り、反動処理の問題はついてまわる。まだまだ「思いつき」のレベルを出ないシステムも多いが、ホットな分野ではないだろうか。

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201608
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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