2016年08月23日 18:57
インターネット上に、リコイルショック機構が搭載されるシステマ (Systema) 製最新型トレポンのものとする、フルオート実動映像が投稿された。
従来のリコイルシステムは、リコイルショックを生み出すウェイトの後方にバッファースプリングを配する構造が主流でした。
しかしながら、銃本体の動作に起因するウェイトの慣性力は、バッファースプリングに一旦は蓄積され、その後スプリングの反発力によって、前方への衝撃力として一つの工程を完結します。
これはガスブローバックの銃とて同様であり、慣性力が大きなフルオート射撃では、銃全体が前方へ引っ張られるような違和感を感じました。
そこで、リコイル用のウェイトをピストンとは逆方向、つまり銃の前方へ移動させ、同時にスプリングを圧縮し、ピストンとの連結が絶たれると、銃後方へ一気に復帰させるシステムを製作しました。
自動車のバックギアを連想してください。
前進のためのギアの配列に、一つのギアを追加することで全体の回転方向を逆にしています。二つのラックギアを平行に配置し、その間に堅牢に支持された一つのピニオンギアを噛み合わせます。すると、前述のようにピストンの後退する動きは、ウェイトの前方への動きに変換され、ストックチューブの前方に配置されたバッファースプリングを圧縮するのです。
ピストンの後退運動が終了すると、リコイルウェイトよりも遥かに軽量で、バッファースプリングよりも強力なメインスプリングにより、ピストンはシリンダー内の大気を圧縮し、BB 弾を発射します。
続いてやや遅れたタイミングで、バッファースプリングによりウェイトはストックチューブの後端部を強力に打撃し、一回のサイクルが終了します。
動作全体の説明では複雑に感じますが、実際の構成部品は、都合 7 点と極めて少なく、機械的な信頼性は非常に高い構造です。
さらに、重量のあるウェイトを高速移動させるラックギア付きのロッドは、ピストンロッドと同様、銃身線上で移動しますので、偏荷重によるエネルギーロスも少なく効率的なデザインとなっています。