「ライセンス料が支払われていない」シグ・サワー社が契約不履行でサイバーガン社を提訴

ミリタリーブログサポートチーム

2017年01月30日 04:05

シグ・サワー社 (Sig Sauer, Inc.) が今月初めに、米ニューハンプシャー州の連邦裁判所において、フランスのエアソフト企業であるサイバーガン社 (Cybergun, S.A.) を相手取り、同社の名前を使った製品の製造、販売、広告を禁止する民事訴訟を起こしていたことが、Guns.com の記事によって分かった。
訴え (Case filed: 01/12/2017) によると、両社のライセンスに関する基本契約書は 2001 年の合意以降、サイバーガン社がロイヤルティーの支払いをおこなうことで、シグ・サワー社の製品やロゴを使ったエアソフト製品の販売において「お墨付き」を得ていた。

しかし、2015 年 10 月以降、21 万 5,000 ドル (=約 2,470 万円) 以上に及ぶロイヤルティーの支払いが滞り、両社の関係が悪化したという。支払いに加えて、契約に定められていた四半期の詳細レポートの提示も行われていなかった実態が浮き彫りとなっている。

今回の訴えの中でシグ・サワー社は、ライセンス製品の製造、販売、広告を禁止するだけでなく、廃棄のために回収することも求めているようだ。

Guns.com のインタビューに対してサイバーガン社の幹部は「我々はロイヤルティーを支払った」「今日の時点で彼らとのビジネス関係を継続している」と回答を寄せているが、Guns.com によると、「裁判所に記載されている両社の係争一覧にはその旨が見当たらない」としている。

フランスの首都パリから 30 キロメートルほど南下したボンドゥフルに本拠を構えるサイバーガン社は、ビデオゲーム、スポーツ、アウトドアシューティング、コレクター向けの銃器レプリカ製品のデザインや流通を手掛けている大手エアソフト関連企業。「ライセンス・エアソフト」ビジネスを展開した先駆け的存在であり、今回のシグ・サワー社をはじめ多くの著名な銃器メーカーの公式ライセンスホルダーとして知られている。

サイバーガン社は、同社の社名である「サイバーガン」を冠した米国、イタリア、香港の現地法人各社の他、マイクロトレード (Microtrade) 社、インタラクティブ・ゲームグループ (Interactive Game Group) などの完全子会社や、ソフトエアー USA 社 (Softair USA Inc.)、パルコ・スポーツ (Palco Sports)、アスガン・ドゥー (Asgun Doo)、テック・グループ HK (Tech Group HK) 社などの間接子会社を有している。

サイバーガン社は最近、シグ・サワー社の次世代ライフルとして注目を集めた「SIG MCX」の電動エアガンの試作モデルを発表したばかりであり、販売に漕ぎ着けられるのかどうかも含めて、両社の係争の今後の動向に耳目が集まる。

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