特殊作戦の需要急拡大で疲弊する米軍精鋭隊員。SOCOMは「栄養補助食品」「薬物」の利用で急場しのぎを模索か
U.S. Army photo by Sgt. 1st Class Christopher Klutts/released
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米上下両院の軍事委員会メンバー出席による「特殊作戦方策討論会(Special Operations Policy Forum)」が先週、ワシントンD.C.でおこなわれ、特殊作戦に従事する精鋭隊員の疲弊を懸念する声が寄せられた。
現在、海外に展開している米兵はざっと20万名で、その内の4%強に当たるおよそ8,600名の特殊部隊員が、全世界の70%にあたる国々に対して派兵されている。これら精鋭隊員は、現地の軍隊・治安部隊に対する戦術指南や、時には敵テロリストのアジトに対する強襲を仕掛けるといった「特殊作戦」に従事することが求められ、その需要は年々増加傾向にある。
U.S. Army photo by Spc. Nicholas T. Lloyd
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委員会メンバーからは、「作戦の頻度は信じられないテンポで上昇しており、6年間に複数回のディプロイメントを経験し、場合によっては6ヶ月毎にディプロイメントを経験する隊員もいる」「絶え間なく任務が下されており、休息が明白に不足している」とし、現場の疲弊した状況が報告されている。
とは言え、特殊部隊員の充足には、①リクルート活動が困難であることと、②精強さを必要とするが故、そのハードルを容易に引き下げる訳にも行かないという、大きく2つの問題を抱えている。
また、ただでさえ超人的な体力・精神力を持つ特殊部隊員だが、軍特殊作戦司令部(USSOCOM: U.S. Special Operation Command)では、個々の隊員におけるそのパフォーマンスを更に底上げすることを狙って、「機能性栄養補助食品」や「性能向上薬(ドラッグ)」を開発し、その使用さえも模索しているという。
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