中国カラーに染まる『ブラックウォーター』。創業者エリク・プリンス氏のFSG社が中国国有企業のカネで増資

ミリタリーブログサポートチーム

2018年03月06日 13:01


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香港を拠点とする民間警備会社の『フロンティア・サービス・グループ社(FSG: Frontier Services Group Ltd)』が5日、大幅な資本増強と株主基盤の拡大をおこなうと発表した。

FSG社は米国の民間軍事会社としてその名を轟かせた『ブラックウォーター(BlackWater)』社の創業者で、元海軍特殊部隊SEALの『エリク・プリンス(Erik Prince)』氏が共同設立者として名を連ねている企業。プリンス氏はまた、ドナルド・トランプ(Donald Trump)政権下で第11代の教育省長官に就任したベッツィ・デボス(Betsy DeVos)氏の実弟でもある。

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Screenshot from CITIC Capital Holdings Limited
FSG社が新たに調達する資金は『8億3,200万香港ドル(=約113億円)』という巨額のもので、中国最大の国営コングロマリットである『中信資本(CITIC: Capital Holdings Limited, シティック・キャピタル・ホールディングス)』がそのバックに控えている。
中信資本は今回の増資で、株式保有を15.84%から28.4%に引き上げ、FSG社に対する支配力を強める。また同じく国有で香港を拠点とする損害保険企業の『中国太平(China Taiping)』がその株式に参加し7.48%の保有者となる。

中国国有企業による今回の投資は、ベンチャーにおける北京(=中国共産党)の自信の表れであり、カネで動く傭兵ビジネスの企業家と、米軍特殊作戦に従事した経験やその専門知識を享受したい国家の利害が一致したものとみる市場観測が囁かれている。
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