100キル以上の戦果を持つSASスナイパーがサーマルサイトを使って1.5Km以上先のIS司令官をヘッドショット

ミリタリーブログサポートチーム

2018年03月19日 12:30


Photo from U.K. MoD
This photo is for illustration purposes only.
ダーイシュ(Daesh, ISIS, IS, Islamic State)討伐の為にイラク、シリアで展開中の英陸軍の精鋭SASスナイパーが、夜間作戦において1マイル(=約1,600メートル)ほど離れたマンターゲットに対して「一発必中(ワンショット・ワンキル)」の見事な「ヘッドショット」を決めたとして話題になっている。
一報は、SASを題材としたプロパガンダ報道を得意とする国内タブロイドを中心として、「100万分の1の奇跡を引き当てた」とする軍幹部のコメントと共に、EU圏のタブロイドでも絶賛拡散中となっている。

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デイリースターによると、「夜間」かつ「長距離」という困難な状況の中で見事な狙撃を達成したのは、SAS「Gスコードロン」のスナイパー。3ヶ月ほど前から対テロ作戦のため、イラク、シリア周辺で展開していたという。
「シリア国境近くの村にダーイシュ司令官が訪れる―」
情報を入手したSASの作戦部隊は敵の到着を待ち構えていた。村は武装した敵テロリストらの手中に落ちており、テロリストらを捕縛して情報を集めることは難しいと判断。司令官の男についても、「完全排除」することが求められていた。
そしてターゲットの到着が夜に差し掛かり、作戦決行は暗闇の中でおこなわれることになった。

当該SASスナイパーは、イラク、アフガニスタンで豊富な実戦経験を持つ熟練の軍曹。100名以上の敵を排除した戦果を持つ人物とされる。

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この日、軍曹が持ち込んでいたのは、『サーマルイメージ』を装着した『McMillan Tac-50』。

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ターゲットまでの距離は1,500メートル以上。引き金を引ける機会は風が止んだ僅か15秒しかなかったという。秒速800メートル以上で放たれた弾丸が、僅かのタイムラグを経て敵司令官の頭部に命中した。


Infographic: Longest recorded sniper kills / Military Blog Japan
米国製の強力な.50口径スナイパーライフルであるMcMillan Tac-50は、現在までに打ち立てられた公認長距離狙撃記録におけるトップ5の中の3つで使用された実績に裏打ちされた名銃。記憶に新しいところでは、昨年6月にカナダ軍特殊部隊「JTF-2(Joint Task Force 2)」のスナイパーが使用しており、世界一の記録となる「3,450メートル」の超長距離狙撃を成功させている。

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