米軍「統合特殊作戦司令部(JSOC)」の新司令官に史上初の空軍出身者が就任へ。秘匿部隊『AVTEG』を率いた経歴も

ミリタリーブログサポートチーム

2018年05月11日 15:07


Logo: Joint Special Operations Command (JSOC)
米国防総省は8日、『統合特殊作戦司令部(JSOC: Joint Special Operations Command)』の新司令官に空軍の「スコット・ハウエル(Scott A. Howell)」中将が任命されたことを発表した。JSOCトップに空軍の将官が任命されたのは史上初めての事例。上院の承認を経て正式に第15代の司令官に就任する。

Photo from U.S. Air Foce
ハウエル中将は現在、ワシントンの特殊作戦司令本部(SOCOM)で副司令官を務め、同司令部を代表し、国防長官室と政府関係各局との計画やその実行および調整役の責任者となっている。

空軍士官学校出身のヘリコプターパイロットとしてキャリアを積んでおり、イラクやクウェート、ボスニア、ハイチ、コソボ、モザンビーク、ジブチ、アフガニスタンといった戦地を経験している他、数多くの特殊作戦に従事した経歴を持つ。


Screenshot from ZERO DARK THIRTY Official Trailer
This photo is for illustrative purposes only.
中でも2008年6月から2年間に渡り、フォートブラッグに司令部を置く『航空戦術評価グループ(AVTEG: Aviation Tactics and Evaluation Group)』の司令官として、「遠征特殊作戦航空団(Expeditionary Special Operations Wing)」を指揮していたことが特筆に当たる。

AVTEGはJSOC隷下にあり、「デルタフォース」や「デブグル」といった精鋭オペレーターに対して航空機動力の提供をはじめ、情報収集や海外要人の秘匿裏な輸送などを請け負う極めて秘匿性の高い部隊。SOCOM隷下の「ナイトストーカーズ(Night Stalkers)」以上の秘匿性を持つと言われ、かの「オサマ・ビン・ラディン(Osama bin Laden)」容疑者の捕縛・殺害を掲げた「海神の槍作戦(Operation Neptune Spear)」で投入されたとする「ステルス・ブラックホーク」は、「元々AVTEGに配備され運用される予定だった」という噂がまことしやかに囁かれていた。

関連記事:
JSOC傘下の謎の航空機運用部隊「AVTEG」が基地を拡張するための予算請求か
関連記事