米陸軍が歩兵戦力向上の為、3年掛けて最新の夜間暗視ゴーグル『ENVG-B』×10,000セットの配備を計画

ミリタリーブログサポートチーム

2018年10月29日 18:47


Photo: U.S. Army Acquisition Support Center (USAASC)
米陸軍が「ライフルマンの戦力向上」を狙って、最新の夜間暗視ゴーグルを近く配備する予定にある。
2019会計年度中に配備予定となっている改良版の双眼式夜間暗視装置、『ENVG-B(Enhanced Night Vision Goggle-Binocular)』は、「ナイトビジョン」と「サーマルセンサー」の両方の能力を備え、装着者に立体的な奥行きのある視覚を提供する。

Photo: U.S. Army Acquisition Support Center (USAASC)
デイビッド・ホドゥネ(David Hodne)准将は今月9日、「陸軍年次総会(AUSA Annual Meeting)」の席上、既に第82空挺師団が先行してフィールド試験をおこなっていることを明かしており、「ゲームチェンジャーな製品だ」と高く評価している。また同准将は、「ENVG-Bを着用してM4カービンを使ったところ、100%の確率で射撃能力の改善がみられ、ターゲットの検出能力は300%向上し、射撃時に掛かる時間は30~50%の速度向上が確認された」とも明かしている。

来年の秋から2021会計年までの今後3ヶ年を掛けて、陸軍は10,000セットのENVG-Bを配備する計画にあるという。具体的な諸元については明かされておらず、最初の配備先についても現在のところ未発表だが、近接戦闘を専門的に扱う歩兵・騎兵偵察部隊になるものと予想されている。

なお、AUSAでの発表によると、海兵隊でも同時期に3,100セットの受領が予定されているとのこと。

またそれとは別に陸軍では「バージョン3の改良型夜間暗視ゴーグル」こと『ENVG-III』という新装備の配備を予定している。こちらも同じく2019会計年度内で予定されている。

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どちらの装置についても、ゴーグルとライフルサイトをワイヤレスで接続するシステム統合がおこなわれる。ENVG-IIIにおいては、最初の会敵時、素早くターゲット捕捉する能力が100%向上するとしている。
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