元SEALs隊員が考える「低倍率スコープ」の利点を紹介する動画

ミリタリーブログサポートチーム

2018年11月22日 16:12

元海軍特殊部隊のインストラクター、カイル・デフールが等倍~8倍程度の可変・低倍率スコープの利点についてYouTubeで紹介している。
もともとスコープは選抜射手や狙撃手のためのものとされ、以前は接近戦ではドットサイト、数百メートルの射程ではスコープという風に使い分けがなされていた。しかし等倍が可能なスコープが登場したことで、この2者の役割を1つの光学機器である程度実現できるようになったという。

ドットサイトは基本的には視界の中に浮かんだ光点で照準するもので、シンプルで素早く狙える。しかしその能力は肉眼を超えることができず、長距離やローライトといった環境では精密な照準や敵味方識別が難しくなる。

可変倍率スコープはこうした弱点を補うものとして注目されるようになった。近距離では等倍を使用し、イルミネーテッドレティクルを使用すればドットサイトと遜色ない速度で射撃が可能になるという。

遠距離ではミルドットのレティクルと長さが分かっている物体を利用することで、レンジファインダーを使用せずに距離が分かるというメリットもある。倍率に応じてレティクルのサイズも変化するファーストフォーカルプレーン式のスコープでは特に容易であるという。

特にフラッシュライトの能力向上で長距離でもある程度の照度が維持できるようになった昨今、低倍率スコープとの組み合わせによってローライトにおける敵味方識別能力は飛躍的に高まった。ドットサイトでも切替式のマグニファイアを搭載することである程度補完できるとのこと。

参考:Shin Tactical Lecture 2018取材レポート~ナイトタイムタクティカルトレーニング編~ - ミリブロNews

故障やレンズのくもりといったトラブルはQDマウントを使用し、アイアンサイトへの切り替えで対応できる。

価格があまり安いものは光学性能やアイリリーフ、アイボックスの許容範囲に問題が出ることもあり、動画中ではVortex Razor HDが価格性能比ではベストバイであるとしていた。

レンズのコーティングや光学設計といった要素技術の進歩によって、同じ道具がまったく違う使われ方をするように変化してきているのは、面白いトレンドと言えるのではないだろうか。

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201811
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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