今度は牛肉!「ブラックウォーター」ブランドを使ったプリンス氏の新事業『Blackwater Beef』

ミリタリーブログサポートチーム

2018年12月11日 14:40


Photo from Blackwater Beef
民間軍事会社(PMC: Private Military Company)としてその名を轟かせた『ブラックウォーター(Blackwater)』の創業者『エリク・プリンス(Erik Prince)』氏が、地域に密着した『ビーフ(牛肉)』事業に乗り出していたことが分かった。

バージニア州ミドルバーグのローカル情報誌「ミドルバーグ・ライフマガジン」が『ブラックウォーター・ビーフ(Blackwater Beef)』のトップ、「ブレット・ミラー(Brett Miller)」氏へ取材を実施。ヤフーニュースがそこから更に深く掘り下げて紹介している。

Photo from Blackwater Beef
ヤフーニュースによると、「先週、プリンス氏のお膝元でもあるミドルバーグで夕食会が開かれ、『ハンティング』と『軍隊への支援』を強調した高級志向のコーヒーショップ&レストランの宣伝がおこなわれた」という。「この夕食会はミラー氏の妻エミリー(Emily Miller)氏の提案によるもので、『プリンス氏の姿こそなかったものの、テーブルの中央付近にはプリンス氏の妻でブラックウォーターの広報担当であったステーシ―(Stacy Prince)氏の名札が置かれていた』」としている。


Photo from Blackwater Beef
「『ブラックウォーター』の名称に関する権利は、依然としてプリンス氏が保有している」とのことで、プリンス氏はこれまでにも衣料品やグッズの販売を手掛けきた。今回の展開も謂わば「ブランディングビジネス」の一環にあるもので、ビーフ事業を任されているミラー氏によると、「結婚式などの慶事で牛肉を中心としたケータリングの提供を視野に入れている他、車で1時間ほど離れた首都ワシントンに向けて輸送するトラックを手配し、独自のレストランチェーン構築にも期待を膨らませている」とのこと。またこれまでのところ人気は「ビーフスティック」と「ジャーキー」が挙げられている。

「ブラックウォーター」の名称は、ブランディング戦略上「諸刃の剣」。民間軍事ビジネスを手掛け時代の寵児となったプリンス氏。しかしブラックウォーター社は2007年にイラクでコントラクターが民間人17名を虐殺し22名が負傷するという事件(ニソア広場虐殺事件)を起こしたことを機に失速。2009年には「Xe Services LLC」へ社名を変更し、2010年には売却を余儀なくされている。

ブラックウォーター社のこれまでの経緯:
1997年 ブラックウォーター社が創業
2007年 イラクで事件を起こす(ニソア広場虐殺事件)
2009年 Xe Services LLCとして社名変更
2010年 プリンス氏が売却し、アカデミ社に変更
2014年 アカデミ社がトリプルキャノピーと合併し、コンステリス社が買収

後継事業者でさえもその名を引き継ぐことが無かったが、ヤフーニュースによると当のプリンス氏は「ブラックウォーターのブランド名称を使うビジネスは最終的にうまくいくはずだ」と考えている。しかし実際はそう甘くなく、ブラックウォーターの名前を使ったビジネスはこれまでのところ、いずれも短期間の内に撤退を余儀なくされている。

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Source: Blackwater Beef anyone? Private security company's founder now sells a different kind of muscle
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