米陸軍が次世代分隊火器(NGSW)用の『射撃統制システム(S-FC)』の試作品開発を計画

ミリタリーブログサポートチーム

2018年12月25日 13:33


Photo by Spc. Joshua Morris
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米陸軍が『分隊射撃統制(S-FC: Squad- Fire Control)』の試作品開発の取り組みを示す特別通知を発出した。試作の取り組みが成功すれば、「NGSW-AR(Next Generation Squad Weapon - Automatic Rifle)」と「NGSW-R(Next Generation Squad Weapon - Rifle )」をサポートする為、競合なしで30,000ユニットの後続生産契約を交わす見込みで、その手始めに試作品として10セットの受領を予定している。

官給品(GFE: Government Furnished Equipment)となるこのS-FCの試作品を開発する目的は、「戦場における降車兵(歩兵)に対して精確で且つ致死性を備えるという、堅牢な射撃制御の提供にある」と定めている。
陸軍は2017年10月に、兵士の攻撃力向上、とりわけ10万名規模とされる「近接戦闘(close-combat)」の任務に当たる兵士に向けて、能力改善の作業チーム(CFT: soldier lethality Cross-Functional Team)を編成している。その主な取り組みとして①改良版の双眼式夜間暗視装置(ENVG-B)、②次世代分隊火器(NGSW: Next Generation Squad Weapons)、③アダプティブ・ソルジャー・アーキテクチャー(Adaptive Soldier Architecture)の3つが掲げられている。
S-FCはこの内の「②次世代分隊火器」に付随するものと位置付けられている。
なお、3つの内で初見となる③の概念については、「兵士と分隊における戦闘プラットフォーム全体のデータ、電源インターフェース、接続ポイントの標準化」を企図したものとなっている。

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S-FCはNGSWの増強と射撃管制要求を履行するために選定されるものであり、「M4A1カービン」と「分隊選抜射手小銃(SDM-R)」、それに「次世代カービン」に適用される。直視型オプティクス、弾道計算、大気センサー群、レーザー測距儀といった先進技術の統合を通じて果たされるものであり、総重量は2ポンド(=約900グラム)以下であることが希求されている。これらの機能とスコープ内デジタルオーバーレイを組み合わせ、兵士の視野内に調整された照準点を生成するものとなる。

政府側は運用テスト環境で使用するため、12ヶ月に渡るパフォーマンス期間を予定している。

Source: Squad Fire Control (S-FC) Special Notice, Soldier Lethality Cross-Functional Team bringing next generation technologies to Soldiers, Soldier Lethality
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