米陸軍が拡張現実(AR)と3Dアバターで負傷兵の解剖学的構造を視覚化するソフトを開発中

ミリタリーブログサポートチーム

2019年06月25日 13:32


Photo Credit: Ms. Mallory Roussel (Natick)
米陸軍は、戦場で兵士が負傷し、しかも衛生兵が手術用テントから数百マイルも離れ、安全な場所へ移送することもできない場合に、CTやX線装置なしで負傷の程度を評価し、適切な治療をおこなう方法を編み出そうと研究を進めている。

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陸軍環境医学研究所(USARIEM)と陸軍医療研究開発司令部(USAMRDC)、それにカンザス州フォートライリーのファレリー・ヘルスクリニック、テキサス州陸軍州兵が協力し、X線で透過したかのような負傷者の解剖学的構造がみえる、3Dアバターを使った「拡張現実(AR: Augmented Reality)」ソフト(AR surgical visualization software)を開発している。

USARIEMのゲーリー・ジエンターラ(Gary Zientara)博士は、「このARソフトは、特に兵士が重症を負った場合に役立つもので、解剖学的構造を適切に描写することで、効果的かつ効率的に負傷を評価し、安全で最適な治療法を提供することに役立つ」と述べている。
陸軍は「X線ビジョンはフィクションのようなものかもしれないが、ARテクノロジーを使うことで、現実に近付き、兵士の生命を救うことさえできる」とし、負傷者が助かるかどうかを左右する所謂『ゴールデンアワー』と呼ばれる負傷後60分間での活用に期待を寄せている。

Source: Army researchers developing Augmented Reality software for field care
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