2019年08月28日 14:07
資料として添えられた映像の中には、『2050年の未来』を舞台として設定し、超人的な能力を持つ「目に見えない」コマンドー隊員のハイテク装備が描かれている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
耐荷重繊維の埋め込まれた軽量カーボンファイバー構造の「ハルク(HULC: Human Universal Load Carrier)」は、統合化された「外骨格スーツ(Exo-Skeleton Suit)」となっており、スーツの表面はカメレオンのようなスキンを持ち、周囲の環境に馴染ませる能力をも備えることも想定されている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
「戦場感知ヘルメット(Battlefield Perception Helmet)」には、低照明下での視覚支援やサーマルビジョンの提供、分隊メンバーの健康状態のモニタリングなどがバイザー部分に映し出される。これにより戦術レベルでの状況認識能力の強化をおこなうとしている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
ブーツには兵士の動き(歩行)に応じて電力を生み出す「自己発電型」のアイデアが持ち込まれており、増える続ける一方の電子デバイスの動力源としている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
小型3Dプリンターを携帯用途に開発し、動植物などの「天然由来」原料を利用し、食料の確保をおこなうとしている。これによって、重く嵩張る現行のレーションパックの需要を減らす方向で検討しているようだ。また同様に武器のスペアパーツや弾薬と言ったものも3Dプリンターを使って現地で造り出すという考えをしている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
「多用途マット」は、普段「睡眠用」として地面に敷いて使用するが、作戦計画時には80インチの戦術ディスプレイとして活用する。またソーラーパネルや無線アンテナのバリエーション展開を持つとしている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
「磁気背嚢(Magnetic Bergen Rucksack)」は軽量で取り扱いをし易くするためにモーションダンパーが組み込まれている。また磁気による吸着を利用し、外骨格部分との着脱も容易としている。そして、マイクロターボジェットのアタッチメントを取り付けることにより、地雷原や障害物、眼前に迫る崖などを短距離飛行することで回避するといった利用を想定している。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
手足にはヤモリのように、突起物の少ない壁であってもよじ登れるような装具が用意される。ヤモリの手足には、数十万本とも言われる無数の剛毛が敷き詰められており、そこに「ファンデルワールス力(Van der Waals force)」と呼ばれる分子レベルの吸着力が生み出されている。ヤモリはこの力を利用し、垂直に反り立つガラス面のような壁であっても滑り落ちることなく自由な移動を可能としていることが知られている。
Screenshot from U.K. Royal Marines official YouTube channel.
この他にも映像には盛り込まれていなかった幾つかの先進装備について原文では言及している。
その1つとして、任務遂行のために海兵隊では上陸用舟艇(LC)に代わって、「地面効果翼機(エクラノプラン, a.k.a "WIG")」を利用することが描かれている。WIGは船であって飛行機ではなく、水面や地面のごく近くを飛行することにより生ずる地面効果と、高速前進することによって生ずる相対気流の動圧(ラム圧)を、翼下面と水面との間に閉じこめる揚力によって浮上させるシステム。大量輸送の利点を生かしながらも、時速数百マイルで静かに移動させる狙いだ。
Image from U.K. Royal Navy.
また兵士の携行する武器については、ライフル/ピストル共にこれまでの弾薬式とレーザーの両方が組み込まれ、ターゲットモーション分析アルゴリズムを利用して、バイザーディスプレイを経由して目標設定をおこない、より迅速かつ精密な射撃を実現するとしている。
Image from U.K. Royal Navy.