オーストラリア軍の2035年に向けた将来兵士コンセプト『カール(Carl)』
オーストラリア、ビクトリア州メルボルンのフィッシャーマンズ・ベンド(Fishermans Bend)にある防衛科学技術機構(DST: Defence Science and Technology)で、最先端科学技術の粋を集めて『カール(Carl)』なる将来兵士コンセプトの開発が進められている。
DSTのフィッシャーマンズ・ベンドは、2035年に向けたコンセプトに取り組んでおり、数あるプロジェクトの中でも「統合個人防護(IPP: Integrated Personnel Protection)」の開発拠点となっている。
DSTのフィッシャーマンズ・ベンドは、2035年に向けたコンセプトに取り組んでおり、数あるプロジェクトの中でも「統合個人防護(IPP: Integrated Personnel Protection)」の開発拠点となっている。
DST公式YouTubeチャンネルには、次世代兵士の姿を描いた映像が紹介されている。
Screenshot from DST YouTube channel
インナーには、超軽量で薄い「代謝(メタボリック)ベスト」を着用。これにより自己調節機能を持ち、暑い/寒いなど様々な環境下で兵士のコア体温の維持を図っている。また柔軟性を持ったヒートパイプ技術により、音を発せず電源供給の必要が無いとしている。
Screenshot from DST YouTube channel
次に頭部をみてみると、SF映画やビデオゲームに登場するキャラクターさながらの近未来感溢れるデザインとなっている。
Screenshot from DST YouTube channel
ヘルメットは頭部の保護をおこなうシェル部分と、任務内容によってマンディブル(顎)やバイザー部分のパーツが取り外し可能となっている。また「統合型マルチスペクトルセンサー」を備えており、各種波長のセンシング機能で昼夜を問わず効果的な敵の検出や認識がおこなえるという。
そして「拡張現実(AR)バリスティックグラス」では、飛翔物から眼球を保護するだけでなく、防曇(ぼうどん)および自己洗浄機能の他、その名の通りの「拡張現実」により、ターゲットのマッピングやローカライズなどの補足情報(or データ融合)をオーバーレイさせる機能をも併せ持つとしている。
Screenshot from DST YouTube channel
「任務特化迷彩(Mission Specific Camouflage)」は、「ラピッドカモフラージュ技術」によって、周囲の環境に則して迅速に変化する。また「適応迷彩(Adaptive Camouflage)」と呼ばれる機能により、昼夜に則してコントラストの調整を図ることも追求している。
Screenshot from DST YouTube channel
多機能アーマー(Multi-Functional Armour)は、高度な生体模倣の素材によって、エネルギー分散による多衝撃能力や、兵士の動きを阻害しないよう軽量化と柔軟性などを持っている。
兵士は「パーソナルUXV」として超小型のドローンを持ち歩くことになるようだ。コンセプトアートの中では、ショルダーパットから空中偵察をおこなうクァッドコプターが、またニーパッドからはクモ型の陸上偵察機が描かれている。これらUXVが収集したデータは、センサー類を通じて敵の潜伏する室内マップと関連付けて活用することになることが示されている。
Screenshot from DST YouTube channel
ブーツには自己発電型の仕組みがインストールされており、兵士が歩行することによって発生する物理エネルギーを電力に変換させる構想となっている。
Screenshot from DST YouTube channel
また、慣性航法センサー(INS: Inertial Navigation Sensor)により、GPSなど外部との通信を必要とせず位置情報を算出する。
Screenshot from DST YouTube channel
上腕部に掛けては「リアクティブ止血帯」が設置されている。形状記憶繊維を戦闘服と統合し、外傷発生時にはミリ秒以内に血管を収縮させて失血を防ぐとしている。
Screenshot from DST YouTube channel
Source: Meet “Carl”: Australia’s Future Soldier
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