ドローンがウクライナ侵攻で果たす役割とは
こんにちは、ミリブロNewsの今井です。
引き続きウクライナ関連の記事で、今回は戦場での民間ドローンの運用について・・・
です。
私自身はドローンが大好きで、ぜひ「人類の平和と発展に!」という立ち位置なんですが今回のロシアによるウクライナ侵攻で民間のドローンが対ロシア軍に対して大きな戦果を挙げているのも事実で、無視できない状況になってきました。
ということで、できる限り「こういう風にドローンが使われているようだ」という形であまり辛辣になりすぎないようご紹介していきます。
民間のドローンは戦場でも有効に使えるらしい
これは前々から専門家の間でも言われていたことでした。民間ドローンの高性能化により、戦場でも有効に使えるようになっている・・・と。
これまでも戦場で局地的にどこどこの部隊がなんたらという民間のドローンを使用した・・・という例はありましたが、あくまで局地的な使用のレベルにとどまっていて組織的に運用しているというものではなく、あくまで「ここぞという時に使ったら有効だった」というものでした。
しかし、今回のロシアによるウクライナ侵攻で、民間のドローンを組織的に運用することで相当効果を挙げるということがわかってきました。
ウクライナはドローンを3種類にカテゴライズして使用している?
テレビで放送されたドローン部隊が使用するドローンが一瞬写ったのですが、そこから判断する限りウクライナは下記のようにドローンを3種類にわけて運用している様でした。ここからはあくまで私の推測になります。
1.産業用高性能ドローン
2.一般ドローン
3.FPSドローン
1.産業用高性能ドローン→遠方から、ロシア軍の詳細を把握
熱赤外線カメラ、ズームカメラ、レーザー距離測定器、暗視機能などのカメラが搭載された最新の機体です。非常に高価で、使い捨てするには少し高いな・・・というもので(といっても軍用品に比べるとはるかに安い)おそらくですが、「親機」としての役割を果たしているはずです。
実際に戦場の近くにいく様なことはせず、できる限り安全圏から偵察をしつづけるという立ち位置です。
ドローンのカメラも日々高性能化していますが、ドローンという特性上カメラは広角で、詳細がわかりにくくなっています。となると、戦車のような大きなものであろうと「敵か味方か判別しずらい」ということがネックになってくるはずです。
特に、ウクライナ軍が使用している車両とロシア軍が使用している車両は歴史的な背景もあってデザインがどうしても似通っています。
そんな時にズームカメラなどを用いて安全なところから対象をしっかり把握し、進行方向や展開している歩兵の警戒している向きなど総合的に判断して敵か味方かを判別しているのではないでしょうか。
また、レーザー距離測定器にはレーザーの照射先の位置座標がわかるのも、親機として利用されているのでは?と考える理由の一つです。
2.一般ドローン→長時間の監視
産業用高性能ドローンによる敵味方の判別が行われた後は、こちらの一般向けドローンにて対象の監視をし続けるという利用方法です。
産業用と違い、価格もそこまで高くないのである程度撃墜されること覚悟でロシア軍に接近し、
戦場に近づいて動向を探り続けているのではないかと考えられます。
最近、ニュースに出回るドローンからの映像はおそらくこれらのドローンから撮影されたもので、これらのドローンのカメラの解像度は少なくとも「スマートフォンのカメラ」レベルはあります。
3.FPSドローン→ヒットアンドアウェイ
最近のFPSドローンは120km/h以上出るということ、2、3秒以内に0km/hから100km/hまで加速できるということから、ヒットアンドアウェイの監視法に使われていると私は考えています。
近くで詳細を把握したいが、産業用ドローンがなんらかの理由で使えない、またはそれほどでもないが近くで状況を把握したいという時に使われているのではないでしょうか。
速度が速く、ストップアンドゴーにも優れているため補足するのが難しく突然現れて撮影し、戻っていく・・・というのは監視される側からするとたまったものではないことは容易に想像がつきます。
編集後記
最近、私の周りの人から「ウクライナでのドローンってどうなの?」ということが聞かれることが多くなってきました。正直なところ民間のドローンがここまで戦場で役立つのって良いのか悪いのかわからんな・・・と複雑な心境です。が、そこまで高性能なドローンが手軽に購入できるのはユーザーとして嬉しいことでもあるのですが・・・。
しかし、一つ確かに言えることはここまで大規模で、組織的かつ効率的に大量のドローンが運用されたのは世界でも初であるということです。
ということは日本の場合、とりわけ災害時にはこれらのノウハウが役にたつ、ということは大いに有り得ると思います。これまでドローンが災害時に運用された事例はありますが、当然ここまで組織的に運用されたことはないのでこういった形で日本ではドローンが利用されていくといといいなぁと願うばかりです。
引き続きウクライナ関連の記事で、今回は戦場での民間ドローンの運用について・・・
です。
私自身はドローンが大好きで、ぜひ「人類の平和と発展に!」という立ち位置なんですが今回のロシアによるウクライナ侵攻で民間のドローンが対ロシア軍に対して大きな戦果を挙げているのも事実で、無視できない状況になってきました。
ということで、できる限り「こういう風にドローンが使われているようだ」という形であまり辛辣になりすぎないようご紹介していきます。
STMより抜粋 こちらは軍用ドローン
民間のドローンは戦場でも有効に使えるらしい
これは前々から専門家の間でも言われていたことでした。民間ドローンの高性能化により、戦場でも有効に使えるようになっている・・・と。
これまでも戦場で局地的にどこどこの部隊がなんたらという民間のドローンを使用した・・・という例はありましたが、あくまで局地的な使用のレベルにとどまっていて組織的に運用しているというものではなく、あくまで「ここぞという時に使ったら有効だった」というものでした。
しかし、今回のロシアによるウクライナ侵攻で、民間のドローンを組織的に運用することで相当効果を挙げるということがわかってきました。
ウクライナはドローンを3種類にカテゴライズして使用している?
テレビで放送されたドローン部隊が使用するドローンが一瞬写ったのですが、そこから判断する限りウクライナは下記のようにドローンを3種類にわけて運用している様でした。ここからはあくまで私の推測になります。
1.産業用高性能ドローン
2.一般ドローン
3.FPSドローン
1.産業用高性能ドローン→遠方から、ロシア軍の詳細を把握
今井の使用する産業用ドローンによる撮影
熱赤外線カメラ、ズームカメラ、レーザー距離測定器、暗視機能などのカメラが搭載された最新の機体です。非常に高価で、使い捨てするには少し高いな・・・というもので(といっても軍用品に比べるとはるかに安い)おそらくですが、「親機」としての役割を果たしているはずです。
実際に戦場の近くにいく様なことはせず、できる限り安全圏から偵察をしつづけるという立ち位置です。
ドローンのカメラも日々高性能化していますが、ドローンという特性上カメラは広角で、詳細がわかりにくくなっています。となると、戦車のような大きなものであろうと「敵か味方か判別しずらい」ということがネックになってくるはずです。
特に、ウクライナ軍が使用している車両とロシア軍が使用している車両は歴史的な背景もあってデザインがどうしても似通っています。
そんな時にズームカメラなどを用いて安全なところから対象をしっかり把握し、進行方向や展開している歩兵の警戒している向きなど総合的に判断して敵か味方かを判別しているのではないでしょうか。
また、レーザー距離測定器にはレーザーの照射先の位置座標がわかるのも、親機として利用されているのでは?と考える理由の一つです。
2.一般ドローン→長時間の監視
産業用高性能ドローンによる敵味方の判別が行われた後は、こちらの一般向けドローンにて対象の監視をし続けるという利用方法です。
産業用と違い、価格もそこまで高くないのである程度撃墜されること覚悟でロシア軍に接近し、
戦場に近づいて動向を探り続けているのではないかと考えられます。
最近、ニュースに出回るドローンからの映像はおそらくこれらのドローンから撮影されたもので、これらのドローンのカメラの解像度は少なくとも「スマートフォンのカメラ」レベルはあります。
3.FPSドローン→ヒットアンドアウェイ
最近のFPSドローンは120km/h以上出るということ、2、3秒以内に0km/hから100km/hまで加速できるということから、ヒットアンドアウェイの監視法に使われていると私は考えています。
近くで詳細を把握したいが、産業用ドローンがなんらかの理由で使えない、またはそれほどでもないが近くで状況を把握したいという時に使われているのではないでしょうか。
速度が速く、ストップアンドゴーにも優れているため補足するのが難しく突然現れて撮影し、戻っていく・・・というのは監視される側からするとたまったものではないことは容易に想像がつきます。
編集後記
最近、私の周りの人から「ウクライナでのドローンってどうなの?」ということが聞かれることが多くなってきました。正直なところ民間のドローンがここまで戦場で役立つのって良いのか悪いのかわからんな・・・と複雑な心境です。が、そこまで高性能なドローンが手軽に購入できるのはユーザーとして嬉しいことでもあるのですが・・・。
しかし、一つ確かに言えることはここまで大規模で、組織的かつ効率的に大量のドローンが運用されたのは世界でも初であるということです。
ということは日本の場合、とりわけ災害時にはこれらのノウハウが役にたつ、ということは大いに有り得ると思います。これまでドローンが災害時に運用された事例はありますが、当然ここまで組織的に運用されたことはないのでこういった形で日本ではドローンが利用されていくといといいなぁと願うばかりです。
【この記事を書いた人】
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
今井浩介(いまい こうすけ)
1984年生まれ
・徳島大学大学院 先端技術科学教育部卒業
紫外線を使った医療用殺菌機器の光学研究開発と3Dの設計開発に携わる。
現在は独立してドローンを使った映像撮影・調査を行うスカイアイジャパン代表
その他経歴など
・田村装備開発株式会社 ミリブロNews、ドローン担当
・グリーンフロント研究所株式会社 UAV新技術開発室長
・株式会社アイディアミックス 英会話・英文法 関連書籍の執筆アシスタント
・DJI スペシャリスト
元自衛官・警察官・PSCのYoutubeチャンネル『ガチタマTV』
提供:田村装備開発株式会社
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at 2025年01月09日 22:23
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