米空軍、最新鋭UAV「復讐者」をアフガン配備。イランを対象か
米空軍が最新鋭ステルス無人攻撃機 "Avenger"(「復讐者」の意) をアフガニスタンへ向けた、と WIRED (電子版) は 13日に報じた。"Avenger" は、Predator A、Predator B、Gray Eagle といった無人攻撃機の開発実績を多く持つリーディングカンパニー "GA-ASI" (General Atomics Aeronautical Systems, Inc.,:ジェネラル・アトミックス・エアロノーティカル・システムズ社) によって開発された最新鋭の無人戦闘攻撃機。「次世代」の無人攻撃機として位置付けられ、従来の他の無人攻撃機と比べても凌駕する圧倒的な飛行速度と、その特徴的な流線型で滑らかな外観からも分かるように、ステルス機能を兼ね揃えているのが最大の特徴。
こうしたことからも、Avengerのアフガン配備への背景には、イランへの対抗が表れているのでは、として真の配備対象は、アフガニスタンと国境を挟んだ国イランにある、として結んでいる。
イランについては、先日、米国 CIA がイランの核開発施設を偵察する為に飛行中であった最新鋭無人偵察機 RQ-170 Sentinel がイランのサイバー攻撃と見られる攻撃により鹵獲される。
この件については、米国 バラク・オバマ大統領が公式にイランへの返還請求をおこなったことで、事実として追認した格好となっているが、米国は下院議会の場においても、イラン側の外的要因による「サイバーハイジャック」での撃墜ではなかったとして報告。あくまでも技術的なトラブルがあった為に、現在に至っているとしている。
RQ-170 がどのような原因でイランの手に渡る事態となったのかに注目が集まる中、中国・国営新華社通信系列の報道では、RQ-170 は中国のジャミング(電波妨害)技術により撃墜したとして誇らしげに報じている。しかしながら、現在のところこの報道における決定的な根拠が提示されておらず、西側の多くの軍事専門家は「イランがロシア製のジャミング(電波妨害)システムの力を借りた」のでは、としている。
イランのメヘル通信は、ロシアと中国が RQ170 の調査について、イランへの技術協力を申し出ていると報じた。そんな中、チェイニー元副大統領は「回収された無人機は空爆で破壊すべきだった」 とオバマ大統領を批判。米国内では身内からも対応のまずさを追及する声が挙がっている。
イラン領空を250キロも侵犯していたとされる RQ-170 を使った米国の偵察手法については、イランのアフマディーネジャード大統領の怒りが収まらない。
日本、韓国といった親米国がイランに対する経済制裁を発令したことを受け、イラン外務省のメフマーンパラスト報道官は、「イランとの経済・外交での協力関係を壊すような措置を取る国に対しては、確実に必要な報復手段を講じる」として公式に発言。外交上の圧力を掛けた米国を名指しで非難し、米国の指示に従った日本・韓国に対する反応を示した。
イラン国営放送 IRIB (Islamic Republic of Iran Broadcasting) によると、Hu Jintao (胡錦濤) 国家主席が、先週、軍事高官と会談した時の様子を報じた。それによると「中国は、第三次世界大戦を引き起こすことになったとしても、イランへの支援を惜しむつもりはない」と発言。イラン側を擁護し、米国との対立の構造が浮かび上がった格好となる。
また、同放送では「米国が鳥インフルエンザウィルスの5倍の威力を持つ細菌兵器を、RQ-170 で散布する可能性」を掲載するなど、物騒な話題で画面上を賑わしている。
WIRED 2011/12/13
Defense News 2011/12/14
General Atomics 2010/07/19
Islamic Republic of Iran Broadcasting 2011/12/11 - 13
Defense Update
Aviation Week 2009/04/17
過去の「イラン」と「UAV」関連記事:
⇒イランでBF3に報復するゲームの開発が計画中
⇒イラン、「撃墜した」とする米ステルス無人機RQ-170の映像を公開
⇒BF3、F35Bでオマン湾を暴れ回る! そして、思わぬところで話題に
最新鋭の無人ステルス攻撃機・Predator C こと Avenger (左) と、95年12月に初めて空母打撃群と共に洋上試験を実施した際の、RQ-1A Predator-A と CVN-70 Carl Vinson (右の写真)。WIRED では、Avengerのようなステルス性の高い最新鋭の無人攻撃機がこのタイミングでアフガニスタンへ向かっているという、その違和感について言及。既にアフガニスタンには幾つもの無人攻撃機が配備されていることや、レーダーでの監視体制を持たないタリバンなどの敵勢力に対して、アフガニスタンでの任務にステルス機の配備は必要に無いのではないか、としている。Photo: General Atomics Aeronautical Systems, Inc., (Left) / Department of Defense via U.S. Navy (Right)
こうしたことからも、Avengerのアフガン配備への背景には、イランへの対抗が表れているのでは、として真の配備対象は、アフガニスタンと国境を挟んだ国イランにある、として結んでいる。
イランについては、先日、米国 CIA がイランの核開発施設を偵察する為に飛行中であった最新鋭無人偵察機 RQ-170 Sentinel がイランのサイバー攻撃と見られる攻撃により鹵獲される。
この件については、米国 バラク・オバマ大統領が公式にイランへの返還請求をおこなったことで、事実として追認した格好となっているが、米国は下院議会の場においても、イラン側の外的要因による「サイバーハイジャック」での撃墜ではなかったとして報告。あくまでも技術的なトラブルがあった為に、現在に至っているとしている。
RQ-170 がどのような原因でイランの手に渡る事態となったのかに注目が集まる中、中国・国営新華社通信系列の報道では、RQ-170 は中国のジャミング(電波妨害)技術により撃墜したとして誇らしげに報じている。しかしながら、現在のところこの報道における決定的な根拠が提示されておらず、西側の多くの軍事専門家は「イランがロシア製のジャミング(電波妨害)システムの力を借りた」のでは、としている。
イランのメヘル通信は、ロシアと中国が RQ170 の調査について、イランへの技術協力を申し出ていると報じた。そんな中、チェイニー元副大統領は「回収された無人機は空爆で破壊すべきだった」 とオバマ大統領を批判。米国内では身内からも対応のまずさを追及する声が挙がっている。
イラン領空を250キロも侵犯していたとされる RQ-170 を使った米国の偵察手法については、イランのアフマディーネジャード大統領の怒りが収まらない。
日本、韓国といった親米国がイランに対する経済制裁を発令したことを受け、イラン外務省のメフマーンパラスト報道官は、「イランとの経済・外交での協力関係を壊すような措置を取る国に対しては、確実に必要な報復手段を講じる」として公式に発言。外交上の圧力を掛けた米国を名指しで非難し、米国の指示に従った日本・韓国に対する反応を示した。
イラン国営放送 IRIB (Islamic Republic of Iran Broadcasting) によると、Hu Jintao (胡錦濤) 国家主席が、先週、軍事高官と会談した時の様子を報じた。それによると「中国は、第三次世界大戦を引き起こすことになったとしても、イランへの支援を惜しむつもりはない」と発言。イラン側を擁護し、米国との対立の構造が浮かび上がった格好となる。
また、同放送では「米国が鳥インフルエンザウィルスの5倍の威力を持つ細菌兵器を、RQ-170 で散布する可能性」を掲載するなど、物騒な話題で画面上を賑わしている。
WIRED 2011/12/13
Defense News 2011/12/14
General Atomics 2010/07/19
Islamic Republic of Iran Broadcasting 2011/12/11 - 13
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Aviation Week 2009/04/17
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