チェコ共和国陸軍がCZ 806 ブレン2 アサルトライフルを契約
チェコ共和国陸軍(ACR)は、CZ806ブレン2アサルトライフル、CZ 805 G1グレネードランチャー、CZ 75 SP-01ファントム・セミオートマチックピストルなどを購入するにあたり、同国の国営工廠(こうしょう)であるCZ社と契約を締結した。
これは昨年10月下旬に同国政府により決定された契約で、EUの難民問題やパリ同時多発テロを含む、安全保障上の脅威に対する緊急要件として進められたと説明されている。
第一回目の契約では契約金4億1,700万コルナ(約19億7,000万円)となり、2,600丁のCZ 806 ブレン2アサルトライフル、800丁のCZ 805 G1アドオングレネードランチャー、2,600個のMeopta ZD-Dotダットサイト、1,600個のMeopata DV-Mag3 3xマグニファイアー、1,450個のMeopta NV-Mag3ナイトビジョンサイト、500個のDBAL-A2レーザーポインター/イルミネーター及びスペアパーツがそれぞれ受け渡される。
第二回目の契約では契約金5,930万コルナ(約2億8,060万円)となり、5,500丁のCZ 75 SP-01ファントム・セミオートマチックピストルが受け渡される。同モデルは2012年にもチェコ共和国陸軍によって5,570丁が購入されていた。
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CZ 805ブレン・アサルトライフル(5.56mmNATO)は、2011年からアフガニスタンでチェコ軍によって実戦使用された。だが、CZ 805には登場初期の頃から多くの問題が指摘されており、射撃中のバランスが悪く安定しない、チークパッドの位置が悪く不快で扱いにくい、ハンドルやレバー類の形状が操作し辛い、最終弾発射後にコッキングレバーが後退位置で停止しないなど、不満の声が出ていた。そして、このような過去の失敗から学び、再設計されたのがCZ 806ブレン2アサルトライフル(5.56mmNATO)である。
Photo: Major Jan Sulc, Press and Information Officer ninth unit PRT Logar
Shooting with assault rifles CZ 805 BREN A1 on the range Altimur
2015年9月15~18日にロンドンで開催された国際展示会(DSEI)にて初公開され、人間工学に基づいたデザインを発展させたことにより、射撃中も銃は安定しているという。ストック形状は大幅に見直され、CZ 805に使用されていたチークパッドも廃止された。コッキングハンドルは、ブリーチから切り離されたことで射撃中も停止状態を保持するよう改められた。
また、余分な金属パーツを削ったことで全体的にスリムになり、CZ 805ブレン1A2と比較するとCZ 806ブレン2A2の重量は4.1kgから2.99kgへと大幅に軽量化されている。そしてグリップは、MとLのサイズが用意され、手の大きさに合わせて交換できる仕様となった。
ファイアーモードを見ると、CZ 805ではセイフティ/セミオート/3点バースト/フルオートであったが、CZ 806では3点バーストが廃止されセイフティ/セミオート/フルオートのみである。また、トリガーガード内の前方には「C」の形状をしたスイッチが用意されており、下方へ押すと後退したボルトを前進させることが可能で、上方へ押しながらボルトを後退させるとホールドオープン状態にすることができる。CZ 806の基本設計はアンビで、左右の利き手を選ばない操作性の良いデザインだ。
CZ 75 SP-01 ファントムは、CZ 75 SP-01 タクティカルから派生したバリエーションの9mmルガー・セミオートマチック・ダブルアクションピストルだ。
軽量なポリマーフレームを装備し、装弾数18+1発というファイアーパワーを持つ。しかも流行のモジュラー式バックストラップを装備し、射手の手の大きさに合わせて交換可能だ。また、マガジンの容量が大きいこともあり、スペースを確保するために薄いラバー・グリップパネルが装着されている。
安全装置は、内臓式のファイアリングピン・セイフティ、ハーフコック・セイフティ、デコッキングレバーのみで、マニュアルセイフティは存在しない。トリチウムナイトサイト、MIL-STD-1913アンダーレイルといった装備も充実しており、特殊部隊での運用からスポーツ目的まで、幅広く使用できるピストルといえるだろう。
IHS Jane's Defence Weekly 2016/01/07
Altair 2015/10/10
Text: ポル - FM201601
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