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ダーイッシュ (IS) から奪還した街で唯一生き残ったイラク軍の M1 エイブラムス戦車

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ダーイッシュ (IS) から奪還した街で唯一生き残ったイラク軍の M1 エイブラムス戦車
Photo: AFP
Image is for illustration purposes only.
今年 2 月よりイラク治安部隊主導により本格化していた西部・アンバル州の都市ヒート (Heet) の奪還作戦が成功した。古くからの都市であるヒートは、2014 年 10 月以来ダーイッシュ (Daesh, IS, Islamic State, ISIS, ISIL) の手に陥落していたが、4 月 11 日、その行政庁舎にイラク国旗が天高く掲揚されている。

ダーイッシュとの戦いを掲げた「不変の決意」作戦 (Operation Inherent Resolve) において、米国防総省の報道官を務めるスティーブ・ウォーレン (Steve Warren) 大佐は 13 日、定例のブリーフィングの中で「我々は現在 (ダーイッシュの) 75% の排除を見積もっている。イラク治安部隊が数日の内に奴らをこの街から完全に追いやるだろう。」と述べた。
続けてウォーレン大佐は、ヒート奪還のシンボル的存在となったイラク軍所属の 1 輌の M1 エイブラムス戦車を紹介した。ツイッター界隈を中心に、地元で「ビースト (The Beast) 」の愛称と共に英雄的に扱われているこのエイブラムス戦車は、ヒート中を走り回り、路傍に仕掛けられた簡易爆発物 (IED: Improvised Explosive Device) の爆発に晒され、無数の銃弾を受けながらも生き延びた「ローン・サバイバー (Lone Survivor) 」としてメディアに取り上げられている。


イラク軍の動向を監視してきた米国の軍事顧問団は、ヒートには数両のエイブラムス戦車が展開していたものと認識していたが、実際にはたったの 1 輌し見当たらなかったことに驚きをみせている。なお、ウォーレン大佐によると、「ヒートには計 3 輌のイラク軍の M1 エイブラムス戦車が展開していたが、その内の 2 輌については破壊されている」とのこと。

米国は、ここ数年の間でイラクに対して少なくとも 140 輌の M1 エイブラムス戦車を提供しているが、既報の通りダーイッシュに奪取された戦車が幾つか確認されており、それらの破壊の為に米軍攻撃機の出撃を余儀なくされている。こうした米軍攻撃機によって、少なくとも 10 輌の M1 エイブラムス戦車が破壊されている。

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