アメリカ移民・税関執行局の新制式拳銃SIG P320採用のプロセスに疑惑の噂
アメリカ合衆国国土安全保障省(DHS)の移民・関税執行局(ICE)が制式拳銃としてシグ・サウアー社のP320を採用し、さらにカービンとして同社のMPXを採用すると予測されている。
Photo from Immigration And Customs Enforcement (ICE)
SIG P320は2014年に販売が開始されたハンドガンで、様々な口径や銃身長、フレームサイズを組み合わせることができる「モジュラー式」のハンドガン。アメリカ陸軍の新制式ハンドガン「MHS」のコンペにも参加していたことで知られている。
Photo: Sig Sauer
米陸軍 新型制式ハンドガン選定コンペを2015年1月から開催 - ミリブロNews
ICEはダブルアクションオンリーのSIG 229 DAKを採用している他、スカイマーシャルなどDHS傘下の各機関ではシグ社の製品が多く使用されている。いわばシグ社の「お得意様」であるが、採用プロセスについて疑問の声を上げるメディアは多い。
ブログ「WeaponsMan」では、そもそも選定に向けて公開された要求仕様が特定のハンドガンを指している、と指摘している。「ポリマーフレーム」「アンビの操作系」「サイズの変更できるグリップ」など、仕様として指定された事項をすべて満たすものがS&W M&PまたはSIG P320で、しかも当時M&Pは各地の警察で動作不良によるリコールが続いていたためだ。
他にもグロック17と小型のグロック26は使用が許可されているのにP229とほぼ同サイズ・同口径のグロック19が(各特殊部隊でも使用が始まっているほどの信頼性が高いにも関わらず)リストに掲載されていないなど、疑惑を完全に消し去ることは難しい。
「内部の人間」をソースとする噂では、ICEで調達を担当する部署であるOFTPの副責任者がシグ社への「天下り」と引き換えにP320を選んだ、というものもある。陸軍だけでなくSOCOMの各部隊やFBIなど影響力のある機関でハンドガン選定方針が変わりつつあることが報じられている。ICEの判断が過渡期におけるイレギュラーなのか、何かの意図があるのか注視したい出来事である。
Source: ICE Pistol Decision: SIG 320 | WeaponsMan
Rumors that ICE will adopt the Sig P320 and MPX - The Arms Guide
Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201612
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。
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