大手格付け機関『ムーディーズ』がドイツ銃器メーカー『H&K』を『Caa1』に格下げ。重大なリスクを指摘
米国の大手格付け機関『ムーディーズ(Moody's)』が、ドイツ銃器メーカー「ヘッケラーアンドコッホ(H&K AG)」社に対する信用格付け(CFR: Corporate Family Rating )を、これまでの「B3」から『Caa1(シーダブルエーワン)』へと引き下げると発表。格付見通しは「安定」から「マイナス」に変更された。
Photo from Heckler & Koch
Caa1とは、財務力が極めて弱く、一部を債務不履行する可能性がある場合を指しており、その企業の信用度は、一般的に「投機的債券」みなされる。
加えてムーディーズは、「HK社が6月30日を期限とする条件付きとなっていた1億3,000万ユーロの融資について『重大なリスク』を抱えている」と指摘している。
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フランス軍制式小銃FAMASの後継選定を勝ち取り、米海兵隊向けM27納入でも拡大路線を歩み、また母国ドイツではG36の後継レースで最有力視されるなど、ことビジネス面では快進撃しているように見える同社だが、一方の財務状況的には決して楽観視できない実情にある。
HK社は2017年4月に、米国内市場へ更に深く食い込むため、ジョージア州コロンバスに2,850万ドル(=約31.3億円)の予算を投じ、その生産施設を増強させている。5万平方フィート(=約4,650平方メートル)の面積を持ち、全ての業務を移転することが掲げられ、向こう2年間で84名の雇用創出が予定されていた。
この他にも米陸軍の「XM25」計画でオービタルATK社と対立し計画が暗礁に乗り上げた一件や、武器輸出規制を破ってメキシコ治安部隊に不正輸出した疑いの一件では、有力国会議員への贈賄の嫌疑が掛けられるなどの不安要素を抱えている。
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・米陸軍の「XM25」計画でオービタルATKとH&K社が対立。計画が暗礁に乗り上げた内情が明らかに
・メキシコ向け不正輸出でH&K社が有力議員に贈賄か。政策番組が監査報告書を独占入手
Source: Rating Action: Moody's downgrades H&K AG's CFR to Caa1; outlook negative
ブルームバーグによると、HK社の2018年第一四半期における収入は4,620万ユーロを記録したものの、純利益について250万ユーロの減益を記録している。また国内有力紙のヴェルトによると「HK社には2018年3月末でキャッシュは僅かに1,100万ユーロしかない」「昨年は3,000万ユーロあった」とのこと。
Screenshot from Bloomberg
逆風のきっかけとなった1つには、米国の民間市場向けに投入が予定されていたサブコンパクト・ポリマーピストル『VP9SK』の発売遅延が挙げられている。
Photo from Heckler and Koch
HK社は2017年4月に、米国内市場へ更に深く食い込むため、ジョージア州コロンバスに2,850万ドル(=約31.3億円)の予算を投じ、その生産施設を増強させている。5万平方フィート(=約4,650平方メートル)の面積を持ち、全ての業務を移転することが掲げられ、向こう2年間で84名の雇用創出が予定されていた。
この他にも米陸軍の「XM25」計画でオービタルATK社と対立し計画が暗礁に乗り上げた一件や、武器輸出規制を破ってメキシコ治安部隊に不正輸出した疑いの一件では、有力国会議員への贈賄の嫌疑が掛けられるなどの不安要素を抱えている。
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Source: Rating Action: Moody's downgrades H&K AG's CFR to Caa1; outlook negative
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