旧日本海軍に制式採用された六櫻社(現コニカミノルタ)製ガンカメラ『八九式活動写真銃改二』がeBayに出品

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旧日本海軍に制式採用された六櫻社(現コニカミノルタ)製ガンカメラ『八九式活動写真銃改二』がeBayに出品
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六櫻社(現在のコニカミノルタ)が1930年代に製作し、旧日本海軍に制式採用されたガンカメラ『八九式活動写真銃改二』が、インターネットオークションeBayに即決価格4,499.99米ドル(約49万円)で出品された。
旧日本海軍に制式採用された六櫻社(現コニカミノルタ)製ガンカメラ『八九式活動写真銃改二』がeBayに出品
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『八九式活動写真銃改二』は、イギリスのソーントンピッカード社のガンカメラ「Hythe Gun Camere MK3」を参考に開発された35mmフィルム用スプリング動力式連続撮影カメラである。旧日本海軍航空隊の訓練部隊は、模擬空戦で実弾を使用する代わりに、ガンカメラで撮影した映像をもとに命中判定を行っていた。射撃訓練用として機上作業練習機白菊などに搭載していたが、攻撃記録用として実戦で使用されることは無かったようだ。同型モデルが、米ワシントンDCの国立スミソニアン航空宇宙博物館に展示されている。

旧日本海軍に制式採用された六櫻社(現コニカミノルタ)製ガンカメラ『八九式活動写真銃改二』がeBayに出品
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レリーズボタンは引き金を模した形状をしており、10コマ/秒の連写(連続撮影は70枚)が可能。計測時計を本体前方のレンズ上部(画像:黄色の防風フード内)にセットすることで、被写体(射線上のターゲット)と途中計時(文字盤と針)が同時に撮影できる構造となっている。また、いくつかのパーツを換装することで、翼上などの「固定機銃用」と後部銃座などの「旋回機銃用」として使用できる。固定機銃用として使用する場合は、設置箇所から操縦席までシャッターケーブルを引き込み、外付けの引き金(ケーブルレリーズ)から操作を行う。

ガンカメラの歴史は、航空機が初めて戦争に投入された第一次世界大戦から始まり、ルイス軽機関銃などの航空機関銃を模したものがイギリスやドイツで製作され、攻撃記録や射撃訓練に使用された。現代では、火器管制装置に備わった録画機能や銃器に装着できる小型カメラなどが「ガンカメラ」と呼称されるている。

Text: 弓削島一樹 - FM201802

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