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米軍特殊部隊向け M4A1 用「SURG」計画における「熱対策」と提案メーカー

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米軍特殊部隊向け M4A1 用「SURG」計画における「熱対策」と提案メーカー
SURG Solution by Stealth Engineering Group
米特殊作戦司令部 (USSOCOM) 発出による M4A1 用の「消音アッパーレシーバーグループ (SURG: Suppressor Upper Receiver Group) 」計画について、幾つか気になる情報があった。

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米国の戦術装備ニュースサイト、ソルジャー・システムズ・デイリー (SSD: Soldier Systems Daily) は 16 日、匿名の関係者からの情報として「現代繰り広げられている戦闘の中では、音と光の抑制だけでなく、「熱」にも配慮しなければならない」「敵対勢力側においても、サーマル装備が廉価で入手できるようになった時代背景がある」とした主旨のコメントを掲載している。

このことについては、国防技術情報センター (DTIC: Defense Technical Information Center) が今年 5 月にまとめた資料にも色濃く反映されており、そこには熱対策を講じた次世代製品の開発が喫緊の課題となって示されている。

米軍特殊部隊向け M4A1 用「SURG」計画における「熱対策」と提案メーカー
Proposed Thermal Management Solution via DTIC
まず、熱管理ソリューション (Thermal Management Solutions) に向けた提案として掲げられた中でキーワードとなってくるのは、物質における「熱伝達」の三要素である①熱伝導、②対流、③放射 (輻射) であり、これらの現象を踏まえた上で、「反斜壁」「難燃性」「真空」の利用が重要となってくることを解説している。

中でも「真空」の利用については、「真空断熱 (Vacuum Insulation) 」と呼ばれる手法が「最も優れた断熱材」として知られていることから、太陽と地球の関係を例に紹介している。

熱伝導のプロセス
熱伝導のプロセスでは、分子の中で熱エネルギーが衝突し合いながら伝わっていくが、①真空の場合は、空気の分子自体が存在していない為に、熱伝導の発生が無い。また、②熱伝達の中で 2 番目の要素となる「対流」についても、真空であれば空気が存在していないために対流自体が生じない。そして③については、太陽が地球に熱を伝えている原理を例に、熱が赤外線などの電磁波を放射することで、真空地帯である宇宙空間を隔てて地球表面へ熱エネルギーを伝えている。

DTIC では、これらの現象・原理を踏まえ、真空断熱を利用したソリューションとして、銃器に実装する「統合真空熱障壁 (Integrating Vacuum Thermal Barriers) 」 (「魔法瓶」的発想?) の他、様々な試みを紹介している。
次に、SOCOM の発出した SURG 計画に対して呼応した、幾つかの民間企業の提案事例を紹介している。

米軍特殊部隊向け M4A1 用「SURG」計画における「熱対策」と提案メーカー
SURG Solution by Stealth Engineering Group
1 社目で紹介されているのは、「ステルス・エンジニアリング・グループ (SEG: Stealth Engineering Group) 社」。同社は、軽量拡張型消音器 (LES: Light Enhanced Suppressor) (Patent# US9091502B1) や、シートメタル形状バッフル (Sheetmetal Baffle) (Patent# US9115949B1)、ヒンジ式サプレッサーマウント (Hinge Suppressor Mount) (Patent# US9222747B1) などの特許製品を抱えているサプレッサー製品関連の開発メーカー。今回、SURG 計画への参入に当たっては、コロラド州に拠点を置き、米国内で 30 年以上に渡り製造事業を営み、軍・法執行機関向け製品としても認められているアルマゲドン・タクティカル (Armageddon Tactical) とチームを組んで臨んでいる。

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提案製品の緒元については、銃全体での長さは 21 ~ 26.7 インチ (約 53 ~ 68 センチメートル) で、その内のバレル長は 11.5 ~ 15.5 インチ、重量は 4.5 ~ 5.5 ポンド (=約 2 ~ 2.5 キログラム) として、全体をコヨーテカラー ( Coyote 498 (20150) ) 仕上げにすることが記載されている。

また、タクティカルギア関連のニュースやレビューを掲載しているジャーキング・ザ・トリガー (Jerking the Trigger) によると、SOCOM 向けの提案には SEG 社のサプレッサー技術と、特別カラーを施したアルマゲドンの「GMS-15 チャージングハンドル」を含めて提出しているとのこと。

その他、オペレーターズ・サプレッサー・システムズ (OSS: Operators Suppressor Systems)、ジェムテック (GEMTECH)、ムーア・アドバンスド・ダイナミックス (MAD: Moore Advanced Dynamics)、ランサー・システムズ (Lancer Systems)、アセンダンス・インターナショナル (Ascendance International) といった企業が SURG 計画への提案製品を持ち込んでいる。

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