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サイレンサー一体型アッパーレシーバーM4計画「SURG」の入札が中止に

海外軍事
アメリカ軍はM4自動小銃用サイレンサー一体型アッパーレシーバー(SURG: Suppressor Upper Receiver Group)について、入札の取り消しを発表した。

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米軍特殊部隊向け M4A1 用「SURG」計画における「熱対策」と提案メーカー

SURGは従来のサイレンサーの効果をより高めるべく米軍が研究・導入を進めていたもの。一般的なサイレンサーは銃口から出る発射ガスをいったん受け止め、減速させてから放出することで減音している。しかし銃身の過熱によって弾道が変化してサイレンサーが破損したり、高温の銃身やサイレンサーから発する赤外線がサーマルビジョンで捕捉されやすくなったりという問題が指摘されている。

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    近年携行弾数は増加し兵士あたりの火力は大きく向上したが、それに応じて発熱による問題の影響も大きくなっている。SURGはアッパーレシーバー全体で消音と排熱、両方の効率を最大限に高め、真に「静穏」なシステムを目指すものであった。

    SURGには海軍特殊戦センター(NSWC)クレーン研究所が開発を進めていたガスブロック一体型減音システムと、民間メーカーによるシュラウド式の2系統があったようだ。

    NSWCのガスブロック一体型減音システムは、ガスブロック周辺の銃身全体を減音筒として使用するものだった。ガスブロックから排出されたガスはバッフルで仕切られた減音筒内を前後に往復し、十分に減速・冷却されてから外に出ることになる。音・熱・光の原因となる発射ガスを徹底的に対策しようというコンセプトで、銃口に取り付ける従来のサイレンサーを併用することも可能なものだった。

    Development of an Integral Suppressor for the M4A1 Carbine / Jason M. Davis

    アメリカ国防技術情報センターがまとめていた民間メーカーの案では、銃身からサイレンサーまでをレシーバーと一体となったシュラウドで覆うことでこの問題を解決しようとしている。シュラウドは複合材料と「魔法瓶」のようなごく薄い真空層が挟み込まれた断熱効果が非常に高いもので、これが赤外線の拡散とマズルフラッシュの光を隠す役割をもつ。

    シュラウドで覆うだけでは排熱の問題があるが、このシュラウドの構造自体が解決のカギとなっている。銃口のマズルブラストが起こす対流によってシュラウドの内側の気圧が低くなると、シュラウドの根本から外の空気が流れ込みバレルナットをヒートシンクとして冷却するのである。

    Thermal Isolation For Integrally Suppressed Weapons / Howard D. Kent, ADG, LLC.

    いずれも突飛なアイディアのように思えるが、既に実用化されているアイディアを組み合わせたものだ。シュラウドで赤外線と光を隠すアイディアは例えばWAR SPORT社のLVOAハンドガードがそうだ。マズルまで覆うハンドガードによって横や斜め後ろからはマズルフラッシュや銃口からの赤外線が見えにくくなる。またソックスは手の保護だけでなく、銃身からの放熱を隠す役割も持つと考えられる。

    またシュラウド後端の冷却機構はルイス機関銃で使用された実績がある。外の空気は冷却フィンを経てシュラウド内に吸い込まれていく。

    先日も市販のKeymodレールハンドガードを用いる改修計画「M4A1Plus」が中止されているが、こうした方針転換の裏には非正規軍との対反乱作戦から正規軍との直接戦争という米軍の思い描く未来像の変化があるようだ。ともあれ思い切った研究・計画が相次いで中止になっているというのは残念である。

    関連記事:
    米軍の市販パーツによるM4自動小銃アップデート計画「M4A1+」が中止を発表

    Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201609
    Chaka (@dna_chaka)
    世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。


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