Textron社がアメリカ陸軍次世代分隊火器(NGSW)の候補を公開

ミリタリーブログサポートチーム

2019年11月07日 10:20


Photo from U.S. Army
アメリカ陸軍次世代分隊火器NGSWの候補3社のうち、シグ社、GD-OTS社に続いてTextron社もプロトタイプを公開した。

Textron社は長らく、軽量かつ大火力の火器を開発することを目的としたLSATプログラムにて、軍と共同開発を行ってきた。今回提出されたモデルはその延長線上にあるものとなる。

参考:アメリカ軍の次世代弾薬「プラスチック薬きょうテレスコープ弾」の現在 - ミリブロNews
フォートベニングで行われた陸軍のカンファレンスイベントにて展示されたTextron社のNGSWプロトタイプ。小銃型(-R)、分隊支援火器型(-AR)とも同社が開発した樹脂薬莢テレスコープ式の6.8mmCT弾を使用する。

これはNGSW-R入札の際のサンプルモデルで、AR-15フォーマットのロアレシーバーに円筒状のテレスコープ弾薬を装填/排莢するためのフィーディングメカが取り付けられた形状となっている。さらに下にはレイルを通じてアクセサリーに給電するバッテリーパックシステムが収められている。

Photo from U.S. Army

参考:米陸軍がT-Worx社の『インテリジェント・レイル』の試験通過を承認。次世代分隊兵器(NGSW)計画を後押し - ミリブロNews

Textron社のパテントから再現されたフィーディングメカ。動画後半では80年代末にシュタイアー社が試作したACRのメカが紹介され、類似点・相違点が示されている。

薬莢を上げ下げするエレベーター状のメカが必要なため、ハンドガード下が膨らみ上下に大きなデザインとなる。


NGSW-ARはベルト給弾方式で、回転式薬室を使って給弾・排莢を行う。

Photo from U.S. Army

AUSA2019では極初期の5.56mmCT弾を使用するプロトタイプと共に、最新型のNGSW-R、NGSW-ARが展示された。一番下の段のものが5.56mm版。6.8mm版の最新型は明らかに大型化しているのが分かる。

Photo from Soldier Systems Daily

NGSW-ARの最新型プロトタイプはH&K社が設計・製造し、側面がフラットになるなどいくぶんスリム化されている。

Photo from Soldier Systems Daily

Textron社のプロトタイプはLSATプロジェクトの流れを組むもので多分に実験的な要素がある。メカニズムこそユニークであるが、オーソドックスな他の2社の候補に対しどこまでアピールできるかが見ものとなるだろう。

Sources: 2019 Maneuver Warfighter Conference Vendors - Fort Benning Photos, AUSA 19 - Textron Systems Unveils Latest Next Generation Squad Weapon - Carbine Candidate - Soldier Systems Daily

Text: Chaka (@dna_chaka) - FM201911
Chaka (@dna_chaka)
世界の様々な出来事を追いかけるニュースサイト「Daily News Agency」の編集長。

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